3月3日に「桃」を飾るのは、家族や仲間の無病息災や厄除けを願っての事です

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日のブログは、先日書いたブログ「ひな祭りといえば「桃の花」ですが、桃はお花のあとにもう一度楽しむ事が出来るのをご存じですか」の続編で、「なぜ桃を飾るのか」という事について書きたいと思います。

3月3日は「桃の節句」です。

私はこういう古来からの節目っていうのは、大切にするべきだと思っています。と、こんなこと言うと、なんか堅苦しく感じる方も多いでしょうが、イベントとして生活の中に、もっともっと取り入れたほうが楽しくなるのになぁと思っています。
だって皆さん、2月14日はバレンタインデーを楽しまれていますよね。なのでそれと同じように「桃の節句イベント」って感じで、お祭り感覚で楽しめばいいと私は思います。

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桃の節句とは何か

桃の節句を楽しもう!!って言っても、そもそも「桃の節句」と言うのは何かを知らないと楽しみようもないので、まずはそこを掘り下げてみたいと思います。

「桃の節句」とは、季節の節目に行われる特に大きな行事5つを総称した「五節句」というものの中の1つで、「上巳(じょうし)」と言う日になります。
じゃあこの「五節句」っていうのは何かと言うと、暦の中で節目になる日を決めて、農作業をはじめとする日々の生活の中の目安にしたのです。

ちなみにここからは私の私見ですが、なぜこんな節目が現在まで受け継がれているのかというと、それはこれらの節目を理由に宴会を開催したからです。
天照大神が天岩戸に隠れられた時も、外で宴会をして気をひきましたよね。そしてこれ以降、日本では神代の時代から宴会の例なんて腐るほどあります。
なので私は思うのです。日本人の宴会好きは、天照大神から脈々と受け継がれている日本人の血統であり、肉体に刻み込まれたDNAに他ならないのです!(笑)

そもそも「五節句」は生活を楽しむ為にあるのです

日本人の宴会好きについてもう少し付け加えておくと、五節句とは、人日(じんじつ)、上巳(じょうし)、端午(たんご)、七夕(しちせき・たなばた)、重陽(ちょうよう)の5つの日の事を言い、昔はこの五節句に全て祝儀料理があり、節句料理と言っていました。

人日は「一年の一番初めの節句」と言う事で重要とされおせち(御節)料理。上巳は「桃の節句」として菱餅や白酒。端午は「菖蒲の節句」として柏餅や粽(ちまき)や菖蒲酒。七夕は「たなばた」として素麺(そうめん)。ちなみにこのそうめんを七夕に食べるという事を案外知らない人が多いのですが、平安時代には七夕に素麺を食べるっていう風習が既にあったそうなんです。重陽は「菊の節句」として、菊の花びら。菊酒。栗ごはん。

どうですか、宴会する気満々のメニューだと思いませんか。

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何故3月3日に「桃」を飾るようになったのか。

話しを宴会から桃の節句に戻して。。。(笑)
私はパッと見ただけで季節感を満喫できるこういう節目のものは外せないと思っているので、お稽古に来られている皆さんにはこの時期には必ず「桃」を生けて頂いています。

ところで何故3月3日には桃を飾るようになったかご存知ですか。それは桃には古くから邪気を祓う力があると考えられているからです。
古事記の中では、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が先に亡くなってしまった伊弉冉尊(いざなみのみこと)に会いたくて会いたくて我慢できなくて、黄泉の国(あの世)に会いに行ったときに、化け物のようになってしまっていた伊弉冉尊の姿に驚いてあの世から逃げ出したときに伊弉冉尊が追いかけてきて、どうやっても逃げ切れずにあの世とこの世の境まで来たときに底に生えていた桃の実を投げつけたら退散していったと書かれています。
ほかにも皆さんがよくご存じの、桃から生まれた桃太郎が鬼を退治するお話もあります。邪気を払う力がある桃から生まれた桃太郎は、言うなれば桃の化身ですよね。この邪気を払う力が備わった存在である桃太郎が鬼が島に行くから鬼退治が出来るのです。スイカ太郎や、リンゴ太郎ではダメってことなのです。

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ほかにも漢方では、桃は実・種・葉・花の全部が薬効があるものとして、スーパーマルチプレーヤーに扱われています。

「桃」を生けると幸せな未来が待っています

ねっ!「桃」って凄い存在でしょ。だから3月3日には桃を生けて家族や仲間の無病息災や平安を祈っているのです。

皆さんも「桃」を一枝でもいいですから是非生けてくださいね。
ご家族と一緒に見て楽しみ、季節感を楽しみ、私がブログで書いた桃ネタをお話していただき、桃の節句を楽しんでいただくことが出来たらいいなぁと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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