万能な力が備わる ”桃” を生けて、明日の「ひな祭り」が ”スーパーパワーな日” になるようにしてみませんか

こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

明日はひな祭りですね。そして五節句の上巳でもあります。
ひな人形は飾られていますか?そしてモモを生けて飾られていますでしょうか。

そもそも「ひな祭り」とは

「ひな祭り」のことを”女の子の節句”という風に思っておられる方が多いと思いますが、歴史を紐解くと実は全く違うものから始まっている事をご存じでしょうか。

ひな祭りは元々は五節句の「上巳」という節目として行われていました。
この日には、自分の家族や大切な人に災いが起こらない様に”人”の形をした人形(ひとがた)に、厄災や穢れを移して穢れ払い(けがればらい)の儀式として行われていました。そしてこの厄災除けとして人形(ひとがた)を用いていた行為が人形を飾るという事に結びつき、そこから人形は女の子のものという事で女の子の節句であるひな祭りとなり、江戸時代以降になって全国に広まり定着したのです。
なので今でも地域によっては「流し雛」とか「守り雛」と言う風習が残っていたりするのはこういう理由からであり、ひな人形を飾るというのは家族を大切に思う厄災除けという事なのです。

桃はスーパーパワーを持つ存在です

ひな祭りにはモモを飾りますよね。♫明かりをつけましょぼんぼりに♪お花をあげましょ桃の花♫とあるくらいなんですから。
実はこの桃を飾るという事にも大きな意味があるのです。それは桃にはスーパーパワーが備わっているからなのです。

日本には桃がキーワードになるお話や行為がいくつもあります。
例えば「桃太郎」は桃から生まれ、鬼ヶ島に鬼退治に行きました。「古事記」では伊弉冉尊(いざなみのみこと)が死んでしまい、どうしても会いたい伊弉諾尊(いざなぎのみこと)はあの世に会いに行ったところ伊弉冉は化け物の風体になってしまっており、走って逃げ、あの世とこの世の境に生えている桃の実を投げつけたことで追いかけてこなくなったと書かれています。
これらの話に共通しているのは桃には邪気を祓う力があると考えられているという事で、これがまず桃の持つスーパーパワーの一つ目になります。

それからモモは漢方では、実・種・葉・花の全てに薬効があるものとして考えられています。なので病気やけがなど色々な場面において扱われており、これが桃の持つスーパーパワーの2つ目になります。あっ、漢方の紅葉などについて興味のある方はググるなりしてご自分で調べてみてくださいね。

そしてもちろん、桃の花の持つ可愛らしい姿は春を感じさせ私たちの目を楽しませてくれます。人は目から得ている情報が全体の8割を占めているという話があるくらいですから、桃の花を見る事によって癒されたり和んだりしている事による効果はとても大きなものがあるという事が出来、これも桃の持つスーパーパワーという事が出来るでしょう。

この様に日本では古来より桃には魔除けとしての力が備わっていると共に薬としても役立つ存在として考えられているという事なのです。

”桃” を生けて飾りましょう

このように3月3日に桃を生けると言うのは、季節の物であると共に綺麗という装飾的な意味だけではなく、魔除けとしてお家ならばご家族、会社やお店ならば従業員や仲間の皆さんの家内安全や無病息災を祈念するという事でもあります。

なので是非皆さんも「桃」を一枝でもいいですから生けてみられてはいかがでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。