”終戦の日” に思う、日本人が持つ「利他の心」とその根幹になる「家制度」について
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は「終戦の日」です。先の大戦において亡くなられた全ての方の御霊が安からんことを祈るばかりです。
兵隊の皆さんは、死んでもいいから戦地に行ったんじゃない
今日8月15日は「終戦の日」です。今から80年前の8月15日に日本が降伏し、先の大戦が終わりました。
この戦争には色々な考えや意見があります。私自身ももちろんあります。しかしそう言うことを全てわかったうえで敢えてひとつ言わせて頂きたい事があります。
それは、「戦争に行かれた兵隊の皆さんは、これ以上ない大きな ”利他の心” を持って戦場に赴かれた」と言うことです。
誰もがみんな死にたくないです。一部の異常者を除いて、人を殺したりしたくないです。けれども当時の男性が、なぜ志願してまでも戦地に赴いたのか。それは、大切なものを守るために自分が敢えて犠牲になると言う ”利他の心” が有ればこそだと私は思っています。
こう言う話しをすると、戦争を美化するのかとか、戦争を正当化しようとしているとかって言われる方があります。けれど私はそういう事を言っているのではありません。
戦争は理由の如何を問わずダメです。これは言うまでもない事です。どんな論理を費やしてもそんなものが良い事になったりしません。勝者であろうと敗者であろうと、戦争は絶対にいけない事なのです。
けれどたとえどんなに良くない事であろうと、一旦戦争状態がそこに起こってしまったら、それが置かれている現実になってしまうのも事実なのです。
あなたは大切な人のために命を懸ける事が出来ますか?
あなたは敵が攻め込んでくるという状態になった時に、奥様を守るために戦地に行けますか。お子さまを守るために戦地で戦えますか?年老いた親御さんを守るために戦地で相手を殺せますか?兄弟姉妹のために自分の命を懸ける事が出来ますか?
自分の住んでいる地域が焼け野原にならない様に、敵を追い払うために打ち合いに飛び込んで行けますか?あなたが大切に思っている人や物や地域が未来に生き残ることができるように、特攻する事が出来ますか?
正直、今そういう状況になったら、私はビビると思います。率先して戦地に飛び込んで行くなんて出来ないだろうと思います。いくら「家族の為なら!」なんて言っても、じゃあ今、敵がそこまで来ていて家族が殺されちゃうかもしれないので、それを防ぐためにすぐ飛行機に乗って特攻しなさいって言われても、二の足を踏むだろうと思います。
だってそこまでの”利他の精神”ってそう簡単に持てるものじゃないですもん。命を賭して自分以外の誰かのために行動するなんて、そんな簡単に出来る事じゃないです。
なのに80年前の日本人はそれをしていたのです。
こんな話をすると必ずおバカな輩が軍国主義と結び付けたがりますが、これは軍国主義とは絶対に関係のない話です。
軍国主義が日本人が持つ「利他の心」を利用したという言い方は出来るでしょうが、軍国主義が利他の心を育てたなんて事は絶対にないのです。
日本が世界に誇れる精神「利他」
今から80年前の日本の若者たちは、親や兄弟や子供を守るために戦地に赴いたのです。それは、自分が大切に思っている人や物が未来に生き残ることができるよう、その礎となるために出征したのです。そしてそのおかげで、今日の日本が有るのも事実です。
けして戦争を美化しようとしているのではありません。先の戦争で戦った多くの人達、戦争で命を失った方々がおられるから、今の私達があり、今日の生活が有るのです。
そしてこの「利他の精神」の大元にあるのは何かというと、古来から80年前の当時まで日本に脈々と根付いていた「家制度」にこそあると思っています。つまり「家」という単位を基本とした世の中です。自分の所属する○○家(例えば私ならば内藤家という事です)を、親・子・孫・親戚が集まって大切にし、後世にその流れを皆で伝えてゆくという事です。
だからこそ子供を守るため、奥さんを守るため、親を守るために、自らは礎になるという選択をすることが出来たのだと思うのです。申し訳ないですが、「お国のため」なんて言うのはきれいごとであって、ほとんどの人が家族のために戦地に向かったと私は思っています。
「利他の精神」なんて言っても、今では時代錯誤と思われるかもしれません。がしかし、この「利他の精神」こそ日本が世界に誇るべきものだし、これからも大切にするべきものだと私は思っています。
古来より日本に脈々と受け継がれてきている「利他の精神」こそ、日本人の美徳の一つだと思います。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。