出来ない事にフォーカスするからしんどくなるのであって、出来ない事や困ったことが有った時は視点や思考を切り替える好機なのです

こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は久しぶりの曇り&雨のお天気になりました。私のいる光風流本部いけばな教室ではほとんど雨も降っていないので、お稽古にお越しになられる方が傘を差さなくても済んでよかったなぁと思っています。

今日お稽古にお越しになられている先生と「人は出来ない事にフォーカスするから、可能性を自らで排除し面白くなくなってしまう」という事についてお話しさせていただいたので、今日はその事についてお話をしたいと思います。

困った事や出来ない事にいくら目を向けても何も生まれてこない

いけばなのお稽古ではあるあるの例なのですが、入院しないといけないのでお稽古が暫くできなくなるとか、家庭が忙しくなるのでお稽古ができなくなるという事があります。
確かに、入院とか家庭の事情とかでお花のお稽古をお休みしないといけないというのは悲しい事です。しかしだからと言って入院とか家庭の事情とかにいくら目を向けていても、その事が改善されることはないですし悲しい事が楽しい事に変わったりすることも無いのです。

ではこういう時に何が大切なのかというと、その時に出来る事を考えるという事だと私は思うのです。

何が出来るかを考える思考こそが進歩につながる

出来ない事や困ったことが起こると、人はついついそこに目を奪われがちになってしまいます。しかし実は、出来ない事や困った事というのはただの現象にしかすぎず、本質や大切なことはそこには無いのです。

例えば入院しないといけなくなって暫くお花のお稽古ができなくなると仮定しましょう。そんな時に「入院しないといけない。。」とか「お花のお稽古ができない。。」とかっていくら考えてもこの状況は1mmも変わりません。
ならば、今この状況の中で何が出来るかを考えたほうが何十倍も建設的な思考になるのです。
まず病気やケガの回復のために入院をするという事なのですから、病気やケガについては改善されるという事ですよね。なので次は入院しながら何かお花について出来る事が無いかを考えればいいのです。
病院で実際にお花を生ける事はできません。しかし、いけばなの教本や伝書や書籍を読むことはできるでしょう。なんなら普段はパラパラ見ていただけの本をガッツリと読み込むことが出来る時間になるかもしれません。あるいはスケッチブックなどを用意して思いついた作品をデッサンしてゆく事も出来るでしょう。これもなんならば、普段1日に何枚も作品のデッサンをすることなんてないでしょうからこの時だからこそ出来る事になると思うのです。

出来ないとか困ったことが起こったら、視点や思考を変える好機です

出来ない事や困った事柄に目を奪われ、そこばかりを注視するから、出来ない。。出来ない。。。出来ない。。。。という負のループに入ってしまうのです。
確かに出来ない事や困ったことが有るとそこにばかり目がついつい行ってしまうのは分かります。しかしその思考からはプラスを生み出したりプラスに結び付ける事は出来ないのです。

お花を生けるときに枝を曲げて形を整えたりします。しかしこの枝を曲げるという行為は年齢によって左右されます。すなわち腕力が大きければ太い枝を曲げる事が出来ますが、腕力が小さければ太い枝を曲げる事が出来ないという事です。そしてこの腕力というものは、同じ人間であっても若いときは腕力があっても年と共に腕力は弱くなってゆきます。
では若い人が優れていて高齢になるとだめなのかというと決してそうではありません。若いときは腕力があるので力でねじ伏せたような作品作りを行なったりします。そかし高齢になり腕力が弱ってくるにつれて、枝ぶりを今まで以上にしっかりと見立てその中で作品作りをするようになってゆきます。

そんな中で、仮に腕力が強くて思ったように枝を曲げる事が出来るのを+5点とした場合に、腕力が弱くなってこの+5点の加点がなくなったとしましょう。しかし、枝をシッカリと見立てて生かす作品作りが出来る様になってこの事が仮に+10点の加点になるとしたならば、そのほうがもっと良い作品を生み出すことが出来る様になったという事になります。

出来ない事や困ったことにいくら目を向けても良くはならないのです。そしてそんな時に目を向けるべきは「いま出来る事は何か」という事にこそあるのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。