環境が人を育てるのは、知らず知らずのうちにその空気感を吸収し、知識や技術を成長させ、感覚を研ぎ澄ましてくれるからです

こんばんは、内藤正風です。
今日は予約の取れない焼き鳥屋さんでランチをしてきました。完全予約制+人数限定のお店なのでソーシャルディスタンスや感染防止策も万全で、素敵な時間を楽しんできました。

一流には必ず理由がある

私は良いモノにはその理由が必ずあるし、そうではないものにも必ず理由があると思っています。
今日行った焼き鳥屋さんも、コロナ禍に左右されずこんなに予約が取れないほどお客様が行かれているのには理由があるからです。
ってここまで書くと「美味しいからですね」って思われた方もあると思いますが、美味しいのは当たり前というか美味しいのは土台として備わっているのが当然で、そこにプラスされた部分こそがその理由だと私は思っています。

たとえばお店の設え、お店の香り、お店の構え、スタッフの皆さんの立ち居振る舞いや所作、お料理のタイミング、飲み物の気配り、おしぼり交換のタイミングなどなど挙げればきりがないのですが、もうそのお店の中に居ること自体が私にとっては学びだし刺激だしヒントだしアイデアの源泉になっています。

異業種だからこそ、沢山の気づきを得ることが出来るのです

いけばなと焼鳥なんて何の関係があるの??って思われる方も多いと思います。
確かにいけばな作品と焼鳥料理とは、直接のつながりはありません。
しかしお店の設えや空気感などは、そのままいけばな作品を飾ることにも直結していることですし、そこのお店に来られているお客様の立ち居振る舞いや好みなどを見ていると、これからのいけばな教室の有り様なども見えてきたりもします。

一流には理由があるし、流行っているには理由があるので、その環境の中にどっぷりと身を置くことによってその理由を感じたり学んだり感性を育てたりすることが出来るのです。
すなわち環境が人を育てるという事ですね。

とはいえ私の場合は、その空間にいることが心地よいという事が理由の根幹なのは言うまでもありませんけどね。(笑)

商品が良いのは当然で、それはスタートラインに立ったという事でしかないのです

取り扱っている商品が素晴らしいモノでなければならないのは言うまでもありません。
そしてここで気を付けないといけないのは、商品というとモノのようにとらえられがちですが、商品には形のあるものも形のないものもあります。たとえば焼鳥屋さんならば ”焼鳥” が、いけばなならば ”いけばな作品” や ”学び” が、整体なら ”施術” が、素晴らしいという事です。

そして間違えてはならないのは、商品が良いのは言うまでもない事であり良い商品があることがスタートラインに立ったという事でしかないのです。
では商品のほかに何が大切なのかという事ですが、色々なものがありますがその全てに関連し共通するのは「自らを成長させようとすること」だと思います。

今日の自分よりも明日の自分のほうが、たとえ1mmでも成長しているように

今販売している商品や、提供している技術などが最高レベルのものだとしても、今この瞬間からそれらは誰かに真似をされたり新しい技術革新で超えられてしまったり時代遅れのものになってしまったりする宿命にあるのです。
ではそうならないようにするためにはどうしたら良いかというと、自己の成長しかないのです。

知識を育てる、技術をレベルアップさせる、感性を磨く、これらの積み重ねこそ自己の成長であり商品の進歩や改革につながるのであり、その事がひいては設えや香りや店構え、立ち居振る舞いや所作、タイミングや気配りなどに反映されてゆくのだと私は思っています。

出来ることはできるし出来ないことはできないのです。そんなもの当然です。(笑)
しかしだからこそ、今よりもたとえ1mmでも成長しようとすることこそが自己の成長の源泉となるのです。
そんなことを改めて思った、本日の焼鳥でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。