自分の得意な土俵に居続けようするのではなく、試行錯誤をする事こそが成長の源泉になります

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

昨日は朝から夜までガッツリと本部いけばな教室でのお稽古日でした。

そんな中、来年の光風流カレンダーに掲載する作品のお稽古に来られた方が、自分のイメージを形にするために試行錯誤をしながら何度かやり直しをされているうちに、だんだんとそのイメージに近づいている様子を拝見しながら、「今を良しとせず試行錯誤をするって、作品作りだけではなくすべてにおいて大切な事だよなぁ」って思ったので、今日のブログではそのことを書きたいと思います。

いけばなの作品作りで大切なのは、イメージをしっかりと持つという事

いけばなには大きく分けて二通りの作品があります。一つは古来からの決まりに則って作り上げる作品と、もう一つは自分のこうしたいというイメージを具現化してゆく作品です。
そしてこれらはしばしば全く別物のように捕らえられがちですが、実は本質的な部分に共通する大きな要素があります。それは自分の中でしっかりとイメージを持つという事です。
イメージという表現ではわかりにくいかもしれませんね。ここでいうイメージとは目指すべきゴールと捉えていただければよいと思います。

いけばなの作品作りにおいてイメージをしっかりと持ち、そのイメージに作品が近づくようにしてゆくという事は、どのような作品作りにおいても一番大切な事になります。イメージがしっかりとしているからよい作品を作り上げることができるのであって、イメージが明確でなければ迷走した作品しか生み出すことができなくなってしまいます。

そのうえでもう一つ忘れてならないのは、イメージに近づくために試行錯誤をしっかりとするという事です。

試行錯誤は自己成長の源泉です

より良い作品を作り出すという事は、自分の殻を割り自らを成長させるという事でもあります。つまり今の自分の100%を注ぎ込んだ作品は、今の自分そのものという事です。なので今の自分を超えてこそ ”より良い作品” という事ができるでしょうから、そこには試行錯誤をして今の自分をどんなにわずかでもよいので超えるという事が不可欠になるのです。

ちなみにこれって、いけばなの作品作りだけではなく、日常生活やお仕事、色々な趣味においても同じことが言えると思うのです。
今に満足してしまったのでは、試行錯誤をすることもなくなってしまうでしょう。今目の前にある環境や、自己の知識や技術、そして経験というようなものを、もっとレベルアップしたいとか、時代や環境に合わせて変革したいと思うからこそ、未知に向けての試行錯誤に結びつくようになると思うのです。

得意な土俵から足を踏み出すことこそが、試行錯誤の始まりです

人は自分の得意な土俵にいようとする動物です。そりゃそうですよね、自分の得意な土俵にいれば一番安心できるのですから。しかし自分の得意な土俵にいるだけでは、自己成長どころか自己衰退しかないのです。だって人の成長は筋肉と同じで、楽をしていると知らず知らずのうちに筋力が落ちてきて、気が付いた時には一朝一夕には取り返しがつかないような状態になってしまいます。
だからこそ私たちは意識して、どんなに不安でも得意な土俵から出てゆこうとしなければならないし、しんどいなぁと思っても試行錯誤をし続ける必要があると思うのです。

そんなことを思ったお稽古日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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