〆切や期限を ”間に合えばよいもの” と思っていると、完成度を高めることが出来ないうえに自分の能力を向上させる機会にもできずに済んでしまいます

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は少し凹んでいます。
な~んて嘘です。(笑)ちょっと凹んでいるって言ってみたらカッコいいかなぁと思ったのですが、この後どう続けて書いたらいいのかがわかりません。
ま、そういうわけでいつも通りに書き進めてゆきたいと思います。

私はこのブログで時々、「〆切や期限の捉え方」という事について書いています。なぜ時々書くかというと、特に光風流の皆様に向けて、「締め切りや期限を間に合えばよいものと思っていると、それじゃぁ完成度を高めたり自己成長の機会にしたり出来ないですよ」という事を伝えたいからです。
折角何かに取り組んでも勿体ないというかドツボにはまっているようにしか私には見えないからです。

〆切や期限は守ればよいものではない

皆さんは「〆切」とか「期限」と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。一つの節目。守らなければならないもの。最終期限。その人によっていろいろな捉え方があると思います。
そんな中で、私が絶対に間違いだと思うイメージがあります。それは「間に合わせれば良い期日」という捉え方です。
なぜそんな風に思うかというと、〆切や期限までにとにかく間に合わせればよいという事は、学生時代の宿題の提出と同じで、出来が良かろうと悪かろうととにかくその期日までに間に合わせさえすればよいという考え方だからです。

この感覚を持っている方は、はっきり言って何かをしていてもその事から自己成長につなげてゆく事が出来にくい人だと私は思っています。

〆切や期限に間に合えば良いと思っていたら、完成度を高めることは出来ない

〆切や期限には様々なものがありますが、ここでは原稿や提案などについて考えてみたいと思います。

原稿や提案などは、書きあげて完成ではありません。
書き上げてから、書き加えたり修正を加えたりして完成度を高めてゆく作業が不可欠です、というか、私は書き上げる作業よりも加筆や修正をする時間のほうが大切だと思っています。
書き上げる作業というのは、思いついたことを書き出している作業ということができるでしょう。なので思いついたことを書き出しただけでは完成度の高いものとはいえない状態ですし、時には相応しくないことを書いている場合もあります。
したがって書き上げた後には、一定の期間を設けて何度も確認し、加筆修正、つまり練り上げ完成度を高くする期間が不可欠だと思うのです。

そしてこの加筆修正の期間こそがそのもの自体の完成度を高める作業になりますし、何か不明な点があったら調べたりする作業を通じて自分自身の能力を高める期間にもなってくるのです。
見直すという作業には、自分の気づいていない点を発見する機会になったり、もっと良い表現や方法がないかということを試行錯誤する期間になります。これはすなわち言い換えれば、自分に足りていない部分を見つめ直す期間ということになります。
自分の能力なんて一足飛びに成長したりはしません。コピー用紙を1枚2枚と積み重ねて高さを作っていくように、とても地道な作業なのです。

〆切や期限に間に合えば良いと思っているから、軌道修正ができない

いけばなの作品作りにも当然〆切や期限があります。いけばな展ならばその生け込みの日が最終〆切であり期限になります。しかし実は作品の構想を行う段階での〆切、花材などを手配するために必要な期限など、最終期限の前にいくつもの〆切があります。

例えばそんな中で作品の構想を練る段階での〆切を例にしてみますが、作品の構想を生け込みを行う日ギリギリに考えたとしたら、万一思った材料が揃わなかったときにはどうなるでしょう。もう他の打ち手がないので出来が悪かろうとそのまま進まざるを得なくなってしまいます。
あるいは作品の構想を生け込みの日ギリギリに行った場合、その構想自体を色々な方面から見直しながらブラッシュアップする期間は全くないという事になるので、思い付きがそのまま世に出てしまう事になり良いものを作り上げる事には結び付きにくいでしょう。加えてもし軌道修正が必要だと判明した場合でも、期限まで時間がないのでいくら出来が悪いとわかっていてもそのまま突っ走知らざるを得なくなり、結果残念なことになってしまいます。
ま、いずれにしても、信頼を失うことになるのは間違い無いと言えるでしょう。

その〆切や期限の捉え方、本当に間に合っていますか

いかがでしょう。〆切や期限というのは、”とにかく間に合えば良いという日の事ではない” ということをお分かりいただけましたでしょうか。

そして最後にもう1つ。
〆切はその期日にとにかく間に合えば良いと思っている方に限って、〆切に提出したものの完成度が低かったり出来が悪かったりして、仲間や先輩が時間を割き、時には胃が痛くなるような思いをしながら修正し、やっとなんとかなっているということに気づいていなかったりするパターンも多い様に思います。
その〆切や期限の捉え方、本当に間に合っていますか?
〆切や期限を「間に合えば良い日」と思っている方、せっかく時間を費やして行ったことが、良いものを作り上げる事も出来ず、自己成長の機会とすることも出来ずに残念な結果になっていませんか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。