向かい風や強い風を悪者扱いしがちですが、そうしてしまっているのは自分自身の思い込みと決めつけに他ならないのです

こんにちは、内藤正風です。

昨日は朝から終日、光風流本部いけばな教室で教室三昧の1日でした。
そんなお稽古の中で「向かい風だから何をやってもうまくいかない。。」ってお話をされている方に、私がお話しさせていただいた事についてブログに書かせていただきたいと思います。

風があるから植物は強く育つことができる

日頃の生活の中で、向かい風や強い風って悪いことの様に思われる方が多いですが、実は風がなければ植物は育たなくなっちゃいます。

例えば無風状態で植物を育てると、幹は細く根もあまり張らずに大きくなってしまいます。これはすなわち風によって倒れてしまうような刺激がないので、幹を太くする必要も根をしっかりと大地に張る必要もなくなってしまうからに他なりません。
で、そうなると結果はわかりますよね。
一定以上の大きさになったら、自分の大きさや重みに耐えられなくなってしまい折れてしまったり崩れてしまったりするので、大きな木が育たなくなっちゃうっていうことです。

加えていけばな的目線で言うと、日本海の海岸線の断崖絶壁にあるような、吹きっさらしの中で育ったような魅力的な枝振りの植物も、無くなっちゃうってことにもなるのです。

強い風や向かい風を「悪者」だと決めつけるから思考停止してしまう

多くの人の頭の中には「向かい風=悪い事」という構図があるように感じます。向かい風だから前に進めない、風が強いから思う様にならない。。と。
しかしよく考えてみてください。飛行機は向かい風があるから飛ぶことが出来るのです。ヨットは追い風でも向かい風でも前に進むことが出来るのです。

すなわち自分で、「向かい風=悪い事」という様に決めつけたり「強い風=悪い事」と決めつけているから、何かが思う様にならなかったときにそこに原因を決めつけているだけなのです。
ええ、自分で出来ない理由を探して決めつけ、思考停止しているだけに他ならないのです。

向かい風や強い風のときにしかできない事もある

先ほども書いたように、飛行機は向かい風でなければ空を飛べません。風力発電は風が強いほうがより大きな発電が出来るのです。なのになぜ向かい風や強い風を悪者扱いする人が多いのか考えると1つの答えが出てきます。それは、自分にとって都合の良い状況ではないからということです。

しかしここで考えないといけないのは、自分にとって都合の良い事も都合の悪い事も起こるのが人生でありお仕事であり日常生活だという事です。
そしていつもいつも自分にとって都合の良い事ばかりが起こっていては、必ずダメになってしまう時がやってくるという事も忘れてはならないと思うのです。

ヨットは追い風でも向かい風でも前に進む事が出来るという話をさせて頂きました。しかし無風の時には前に進む事はできません。しかしそんなどうしようもない状況のときには逆にするべきことがあるのをご存じでしょうか。
それは、ゆっくりと休養を取って身体を休めたり、ヨットの点検をし、壊れたり調子の悪いところの修理を行なったり、食料の調達をしたりなどという事です。

いつもいつもイケイケどんどんではなく、休憩したり足元を固めることもどんどん前に進むことと同じように大切だという事を忘れてはいけないと思うのです。

順風満帆という言葉がありますが、そうそういつも思い通りになるとは限りません。なんなら逆風の時のほうが多いかもしれません。
しかし逆風だから前に進むことが出来ないという事は絶対にないのですし、もし仮にそうだとしたら、そんな時だからこそ行なうべきことがあるのも事実だと思います。

思い込みや決めつけを無くして今出来る事を行なうという思考を意識してみてはいかがでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。