いけばなは「総合力」が求められるものであり、光風流の夏季セミナーは「総合力」を養う機会として開催しています

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今週末には光風流の夏の恒例行事の「夏季セミナー」を予定しており、今年は、「花と生きる、花でつなぐ」のテーマの元、開催いたします。

いけばなの本質は変わらないが、時代によって求められるものは変化しています

いけばなと聞くと多くの方が「古くからあるもの」とか、「日本の伝統的なモノ」というイメージを持たれます。そしてそのイメージが強すぎて、古臭いものとか窮屈なモノという過去のモノのように思っておられる方が多かったりもします。
しかしそれは大きな間違いであって、いけばなは約700年の歴史がありますが、その時間の経過は、「今を積み重ねてきたもの」に他ならず、いけばなの本質を大切にしながらそれぞれの時代に求められるものを提供し続け、
常に時代の真っただ中を歩み歴史を積み重ねてきたからこそ、この令和の時代まで歴史を重ねることが出来ているのです。

いけばなには「総合力」が不可欠です

その様にして歴史を積み重ねてきたいけばなは、大きな力を得て、皆さんの役に立つ事が出来るようになっているのですが、それは何かご存じでしょうか。それは「総合力」です。

例えば一例を挙げますと、いけばなは器にお花を生けます。複数の植物を取り合わせて用います。敷板を敷きます。つまり良い作品を作ろうと思うと、器のことや植物の事、敷板の事、デザイン力や色についてなど、あらゆる知識や技術が必要になるのです。
あるいはいけばなは何かしらの環境に合わせてお花を生けます。お祝いの場、不祝儀、洋風、和風、いけばな展、例を挙げればきりがありません。その様な中で場所に対する理解をしっかりとできる様に、そういう事についての知識も不可欠です。

つまりいけばなには「総合力」が不可欠であり、これは言い換えると、ありとあらゆる知識や体験を持っている人ほど、魅力的な作品を作り上げることができるということに他ならないのです。

いけばなを生ける技術や知識だけをいくら学んでも、良い作品は生み出せない

良いいけばな作品を作ろうと思えば、いけばなの知識や技術が不可欠になります。がしかし、いけばなの知識や技術だけでは、良い作品を生み出すことはできません。
その理由を一言でいうならば、いけばなの作品は、作者の内面が表れてくるものに他ならないという事です。

妥協をする性格の人の作品は、妥協したような作品しか生み出せません。その場しのぎ的な行動をいつもなさっておられる方の作品は、その場しのぎの作品しか生み出すことはできません。遊び心に溢れた人の作品は遊び心が随所に感じられますし、人生経験が豊富な方の作品は深みのある作品だったりします。
つまり、いけばなの知識や技術をいくら沢山習得していても、その知識や技術を生かすその人の人間力が大きな力を発揮するという事なのです。

流派で日頃開催している講習会は知識や技術を学ぶ場で、夏季セミナーや研修会は人間力を育てる機会です

とはいえ人間力と言われても、そんなもの一朝一夕に身につくものではありませんが、何もせずに身につくものでもありません。なので光風流では、人間力を身に付けて頂くことが出来るお手伝いの場として、夏季セミナーや研修会という機会を設けており、今年も今週末に開催するのです。

いけばな的思考について。学んだ知識や技術の活かし方について。遊び心とは何か。どうすればいけばなを自分の生活やお仕事に役立てることが出来るのか。お花を生けるという事をキーワードにしながら、様々な事を学んでいただく機会が「夏季セミナー」に他ならないのです。

今週末の夏季セミナーにお申し込みくださっている皆様、どうぞお楽しみになさってくださいね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。