「梅」がおめでたい植物の一つとされて、お正月に使う理由

こんにちは。
光風流家元 内藤正風です。

今日は夕刻から天然クエを食べる会を開催するので、お昼間にブログをアップしています。
(^^)

先日、お正月に松を飾る理由と言う記事をアップしました。
今日は、お正月になぜ「梅」を使うのかについてご紹介したいと思います。

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お正月になぜ「梅」を使うのか

梅を愛でるという文化は、中国から渡ってきたものです。
日本で花見と言うと「桜」が一番に思い浮かびますが、これは日本独自の価値観で、桜の花見が一般化するまでは「梅」がその中心だったのです。

そもそも梅は、まだ寒さが厳しい中を他のどの花にも先立って咲く事から「百花の魁」と呼ばれます。
又この姿を人間に置き換えて、他の人よりも先に花咲く、すなわち結果を出したり世に認められるという事で、おめでたい材料と考えられています。

また、梅の新芽は「スワエ」と呼ばれて、まっすぐに勢いよく天に向かって伸びてゆきます。
この姿が大いなる発展や進歩、成長を連想させると言う事からも。おめでたい材料と考えられています。

松竹梅 = 歳寒三友

よく言われる「松竹梅」とは、松と竹は冬の寒い盛りにも青々としており、梅は寒い最中に咲くという事で、中国の文人画などに好まれる画題「歳寒三友(さいかんさんゆう)」からきています。

Zhao Mengjian (1199? - 1264 AD), Three Friends of Winter, in Qin Xiaoyi, ed., Famous Album Leaves of the Sung Dynasty.  Taipei: Guoli gugong bowuyuan pianzhuan weiyuanhui, 1995.  pl. 66, p. 222. album leaf, ink on paper, 32.2 x 53.4 cm

「歳寒三友」とは、当時の文人が清廉潔白や節操を重んじ、これを表現した事から始まっており、日本でいう「松竹梅」のもつ単に目出度いという意味とは少し違っています。

まあいずれにせよ、梅は古来から薬としても役立てられていましたし、私たちの生活にとても関係の深いものなのです。

梅一枝だけでも、とても素敵な空気感を醸し出してくれます。
折角のお正月です。グラスでもお皿でもいいですから、ちょっと一輪一枝を生けてみませんか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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