オンラインを過信すると物事がうまく進まなくなります。リアルが大切だし、リアルがしっかりしているからこそオンラインが力を発揮するのです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今週は、ASEANやAPEC、そしてトランプ大統領の訪日など、各国の首脳が会談を行われました。そんな中で思ったのです。「このオンライン全盛の時代でも、やっぱり最終的には出会って話すという事が大きな力なんだ」という事を。

今日はそんな中で、コロナ後から私が思っている事についてブログに書きたいと思います

オンラインを過信してはいけない

光風流ではコロナ禍にさいして、かなり早い段階からオンラインを導入しました。
って言っても最初は大変だったんですよ。

日本でコロナの最初の感染者が出て、その後3月14日に開催した役員会において、光風流本部の役員の先生方には強制的にZOOMをスマホにダウンロードしていただきました。
ちなみにこの時には全ての役員の先生方から、「ま~た家元がアホなこと言いだした~~」とか「家元がまた面倒くさい事を言い始めた。。。」っていう視線と態度をビシバシ感じていました。
まあ、私こういうのは全然ヘッチャラなので、視線も態度も全て無視して進んじゃいましたけどね。

おかげでコロナ禍の初期の段階から、すべての支部でオンラインが機能しましたし、講習会なども5月からオンラインで再開するようになり、コロナで渋谷流派の動きが停滞し身動きを全くとることが出来ないって状況には陥ることなく済みました。

がしかし、この時からの経験が今に至っては、オンラインを過信してしまっている先生方もおられる状態が見受けられるようになってしまいました。
そんな中で機会があるごとに光風流の先生方には「
リアルに勝るものはない」と何度も申し上げていいるのです。

リアルがしっかりしているからオンラインが生きるのです

オンラインが生きるのは、「リアルがしっかりしている」からなのです。オンラインがリアルに全く取って代わってしまうなんてことは絶対にありません。

例えばいけばなのお稽古は、対面して行なうものが一番に決まっています。
だってオンラインで画面越しに作品を拝見しても、何となくは作品の様子を理解することは出来ますがリアルで目の前で指導をさせて頂いているのとは全く違いますから。ただ、どうしても移動の時間が取れないのでお稽古に行きたくても行けない時とか、風邪やインフルエンザにかかっているけれど体調は悪くないのでお稽古をしたいというようなときには、便利な手段になるのは間違いありません。

役員会も同じだと思います。
実際に出会って話をすることで、その人の意気込みや熱さや思いを肌で感じることが出来ますが、オンラインでそういう部分は伝わりきらないです。もっと言うならば、LINEのやり取りでは、大切な部分が伝わらなかったり意思疎通が図りにくいのも事実です。
なのでオンラインで役員会はもちろん成立しますが、そればかりに傾いては人と人の結びつきというような部分がドンドン薄れていってしまいます。

確かにオンラインは便利です。自宅にいながら全部参加できちゃうのですから。しかしオンラインはしょせんオンラインなのであって、リアルがしっかりしているからこそオンラインが生きてくるという事を勘違いしてはいけないと思います。

これからはリアルの足りないところをオンラインが補う世の中になってゆきます

私はこれからの世はリアルとオンラインが並立してゆくと思っています。厳密にいうならば、リアルを中心にしながら、オンラインを便利な道具として役立ててゆく様になると思います。

たとえばお稽古ではこんな風な役立て方が出てくるでしょう。
いけばな展で展示する大きな作品などは、器や材料を本部いけばな教室まで運ぶだけでも大変ですので、そんなときにはお家で生けてオンラインで指導を受けるとか、残業があって遅くなってしまう日には、移動の時間を考えるとお稽古に行っていると寝るのがとても遅くなってしまうようなばあいに、会社から真っ直ぐお家に帰ってオンラインでお稽古をすれば移動の為の時間ロスがなくなるので、負担にならないようにお稽古を行なって頂く事も可能になります。
しかしここで勘違いをしてはいけないのは、これらの事が成立するのは日常にリアルのお稽古があり、それがしっかりと機能しているからこそオンラインで足りないところを補ってゆくことが出来るのです。

あるいは会議とかならば、家族で旅行に行くなんて時でも、旅行に行っている先でスマホが1つあれば会議に参加することが出来ますので、場所や時間の制限から解き放たれて、これまでならば欠席しないといけなかったものが出席することが出来るようにもなります。
しかしこれも、リアルの会議が日常の中心にしっかりと存在しているからこそ、人と人の信頼関係などを基礎にして可能になる事だと思います。

オンラインは上手に使えば便利な道具になります

将来的にどうなるかはわかりません。だってVRとかがどんどん進歩したら、リアルとオンラインの区別がつかないような世の中がやってくる日もあるでしょう。
しかしそうなるまでは、オンラインでどんどん世の中は便利になってゆくでしょうが、それはリアルが大きな土台として存在していて、その足りないところを補ったり、これまでできなかったことが出来るようになったりするという事だと思うのです。

オンラインは上手に使えばとても便利な道具になるでしょう。しかしオンラインを過信しては大きなしっぺ返しを食らう事になると私は思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。