これからはオンラインがどんどん便利になってゆきます。しかしその土台には、しっかりとしたリアルが存在しているからこそ便利な道具として役立てることが出来るのです

こんばんは、内藤正風です。

今日は朝から会議を行ない、午後からは研究会を行ない、その後明日の講習会の準備をしていたら、夜の8時を過ぎていました。
1日ってバタバタしていると本当に早く過ぎますよね。

オンラインを過信してはいけない

光風流ではコロナ禍にさいして、かなり早い段階からオンラインを導入しました。
って言っても最初は大変だったんですよ。

だって3月14日に開催した役員会で、光風流本部の役員の先生方には強制的にZOOMをスマホにダウンロードしていただいたのですが、「ま~た家元がアホなこと言いだした~~」とか「家元がまた面倒くさい事を言い始めた。。。」っていう視線と態度と匂いをビシバシ感じていましたから。
まあ、私こういうのはヘッチャラなので、視線も態度も匂いも全無視して進んじゃいましたけどね。

おかげで今では、すべての支部でオンラインが機能していますし、講習会なども5月からオンラインで再開するようになり、コロナで停滞し身動きを全くとることが出来ないって状況には陥ることなく現在に至っています。

しかし今に至っては、オンラインを過信している人もあるようなので、私は声を大にして言います。


リアルに勝るものはないのです!!!

リアルがしっかりしているからオンラインが生きるのです

オンラインが生きるのはリアルがしっかりしているからなのです。オンラインがリアルに変わるなんてことは絶対にありません。

例えばいけばなのお稽古は、対面して行なうものが一番に決まっています。
だってオンラインで画面越しに作品を拝見しても、何となくは作品の様子を理解することは出来ますがリアルで目の前で指導をさせて頂いているのとは全く違いますから。

ただ、感染が怖いので人の集まるところには行きたくないというかたは、オンラインが無ければお花のお稽古から完全に離れてしまわないといけないので、そういう方にはリアルでのお稽古の代わりに有効な手立てだと思います。

役員会も同じだと思います。
実際に出会って話をすることで、その人の意気込みや熱さや思いを肌で感じることが出来ますが、オンラインでそういう部分は伝わりきらないです。
なのでオンラインで役員会はもちろん成立しますが、そればかりに傾いては人と人の結びつきというような部分がドンドン薄れていってしまいます。

確かにオンラインは便利です。自宅にいながら全部参加できちゃうのですから。
しかしオンラインはしょせんオンラインなのであって、リアルがしっかりしているからこそオンラインが生きてくるという事を勘違いしてはいけないと思います。

これからはリアルの足りないところをオンラインが補う世の中になってゆきます

私はこれからの世はリアルとオンラインが並立してゆくと思っています。
厳密にいうならば、リアルを中心にしながら、オンラインを便利な道具として役立ててゆく様になると思います。

たとえばお稽古ではこんな風な役立て方が出てくるでしょう。
いけばな展で展示する大きな作品などは、器や材料を本部いけばな教室まで運ぶだけでも大変ですので、そんなときにはお家で生けてオンラインで指導を受けるとか、残業があって遅くなってしまう日には、移動の時間を考えるとお稽古に行っていると寝るのがとても遅くなってしまうようなばあいに、会社から真っ直ぐお家に帰ってオンラインでお稽古をすれば移動の為の時間ロスがなくなるので、負担にならないようにお稽古を行なって頂く事が出来ます。
しかしこれらの中心には日常のリアルのお稽古があり、それがしっかりと機能しているからこそオンラインで足りないところを補ってゆくことが出来るのです。

あるいは会議とかならば、家族で旅行に行くなんて時でも、旅行に行っている先でスマホが1つあれば会議に参加することが出来ますので、場所や時間の制限から解き放たれて、これまでならば欠席しないといけなかったものが出席することが出来るようにもなります。
しかしこれも、リアルの会議が中心にしっかりと存在しているからこそ、人と人の信頼関係などを基礎にして可能になる事だと思います。

オンラインは上手に使えば便利な道具になります

将来的にどうなるかはわかりません。
だってVRとかがどんどん進歩したら、リアルとオンラインの区別がつかないような世の中がやってくる日もあるでしょう。
しかしそうなるまでは、オンラインでどんどん世の中は便利になってゆくでしょうが、それはリアルが大きな土台として存在していて、その足りないところを補ったり、これまでできなかったことが出来るようになったりするという事だと思うのです。

オンラインは上手に使えばとても便利な道具になるでしょう。しかしオンラインを過信しては大きなしっぺ返しを食らう事になると私は思っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。