”光風流いけばな” が目指すものは、習われている方の「贅沢な生活」ではなく「幸せな生活」です

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今日は、雑務→例会→会議→会議→会議という、「もう許してぇ・・」の一日です。
ま、とりあえず、腹が減ってはいくさにならぬという諺もありますので、しっかり食べたいと思います。

いけばなの目指すものは、習われる方の幸せな生活です

いけばなって聞くと「お花の生け方を教わる」ものだと思っておられる方が多いです。
これは、いけばなをした事のない方だけではなく、いけばなを習いに来られている方や、いけばなを教えておられる方にも、「お花の生け方を教わる(教える)」って思っておられる方がとても多いです。がしかし、これは大きな間違いです。

ではいけばなの目指しているものは何かというと、「お花を生けたり飾ったりすることを通じて、幸せな生活を楽しむ」事が一番の目的です。決まった形に生ける事や、きまりを学ぶ事は、お花の楽しみを広げたり深めたりするための手段でしかありません。
だって、決められた形にお花を生けたり決まりを守ったからと言って、それがすなわち人の幸せに直結したりなんてしないのですから。

「贅沢な生活」と「幸せな生活」は別物です

あともう1つ勘違いが多いのは、「幸せな生活」を「贅沢な生活」と思っておられる方が多いという事です。
これは特に、高度成長時代の世代やバブルの世代に多いような気が私はしますが、幸せ=物質や金銭的な豊さという尺度で判断されてしまうと、それは間違った考え方になります。

例えばワインを飲む事は贅沢ですか?確かにすごく高いワインもありますが、逆にビールより安いワインもあります。なんなら喉が渇いている時ならワインよりも冷たい水の方が美味しい時もある。
つまり贅沢と幸せを混同してしまうから、高いワインを飲む(贅沢)=幸せという構図が生まれてしまうのです。

ワインを飲むときに、どんな人と一緒に飲むと楽しさや幸せを感じることが出来るか、あるいは、どんなお料理にどんなワインを合わせれば、その美味しさで幸せを感じることが出来るかという事が本質だと思うのです。ちなみに高額なワインだから美味しいとも限りませんしね。
有名な寿司屋さんのお寿司や、有名なレストランの料理は美味しいし、確かに幸せを感じることもできます。けれど、お母さんの焼いてくれた卵焼きや、お母さんがむすんでくれたおにぎりの味はいつまでも忘れないし、幸せを感じますよね。

幸せは自分だけではなく、周りをも巻き込んで派生するものです

お花を生けるのもおなじです。決まった形に生けるとか沢山のお花を使って豪華に飾るとか、それは言うなれば「私はいけばなを習ってこんな生け方が出来るのよ」っていう事であったり、「こんなに沢山のお花を使ってお金が沢山掛かっているのよ」っていうような、「自己満足」であったり「贅沢を喜んでいる」という事に偏ってしまっているのではないかと思うのです。

先にも書いたように「贅沢」と「幸せ」は別物です。
いけばなは皆さんに、お花がある事で生まれる幸せな時間や、お花がある事で生まれる幸せな生活を、どうすれば得る事が出来るかという事を学んで頂くのが一番大切な事なのです。
そして色々な生け方を学ぶのは、楽しみの幅を広げたり深めたりする事によって、より沢山の幸せを得ることが出来るようにするためです。
なのでいけばなから生まれる幸せは、自分一人だけにとどまるものではなく、家族や友人など周りの人にまで派生して広がってゆくものなのです。

「いけばな」は人を幸せにするために存在しているし、そういう存在だったからこそ約600年もの歴史を積み重ねてくることが出来ているのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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