いけばなの目指すものは、習われた方の「贅沢な生活」ではなく「幸せな生活」です

こんばんは。
昨日・一昨日と、終日出かけていたので、今日は一日事務所でゴソゴソしている、いけばなの光風流家元 内藤正風です。

事務所にいていつも感じる事があります。
感じるというか再認識するというか。。。。。
それは、、、、、

私は事務が苦手!!!
って事です(笑)

もう本っ当~~に修行状態です。
子どもの頃から、寝ている時か悪い事をしている時しか5分以上同じ所でジッとしていられなかった人間が、終日事務所で机の前に座ってゴソゴソする。。。。。
頭、パァ~~~ンいってしまいそうです。

で、気分転換にBlogでも書くかって思って書き始めてから、机の前に座っている状態に何の変りもない事に気付いて、もがいています(笑)

大阪でも有名な文化財の建物の一室で、いけばなの講座をさせていただきました。

一昨日は友人の雑賀静さんの事務所で、お花に興味を持つ皆さんに【桃の節句のお花を簡単によりゴージャスに生ける講座】 を開催させていただきました。
雑賀静さんはデニムのデザイン生産販売を「Luccvar」ってブランドで展開されているスーパーウーマンで、日頃の生活やお仕事の様子もムッチャお洒落で、マドンナってあだ名で呼ばれている方なんです。
マドンナのブログ

そんなマドンナの会社が入っている建物も普通なはずがない!!
なんとなんと、登録有形文化財指定建物!
・・・文化財っすか(^^;
知る人ぞ知るってか、かなり有名な建物!!
・・・私も名前くらいは聞いたことありました(^^;
「船場ビルディング」

いや~初めて行きましたが、むっちゃシャレオツ!!
大正14年に完成した建物は、すごく重厚感があって、けれど重すぎず、大正ロマンそのものの匂いプンプンなんです。

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正面入り口入ったら、それだけでタイムスリップしたような環境で、ここは日本?ってくらいの雰囲気です。

エレベーターで上にあがって、いきなり目に飛び込んでくるのがこの景色。

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こんな大きな吹き抜け、大正時代の人の美的感覚と先進性に感心するばかりです。
これビルの中なんですよ。中!!

こんな吹き抜けの横を歩いていくと、マドンナの会社の看板が。

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もうどうしたら良いのかわからないくらいにシャレオツです。

こんな環境の中で、いけばなの講座を開催させて頂きました。

いけばなの目指すものは、習われた方の幸せな生活です

今回のいけばな講座では、お花を楽しむ方法にポイントを置いて開催させていただきました。

いけばなって聞くと「お花の生け方を教わる」って思っておられる方が多いです。
いけばなをしたことない方、いけばなを習いに来られている方、いけばなを教えておられる方、そのほとんどが「お花の生け方を教わる(教える)」って思っておられます。
けれどこれは大きな間違いです。

いけばなとは、お花を生けたり飾ったりすることを通じて、幸せな生活を楽しんでいただく事が一番の目的です。
決まった形に生ける事や、きまりを学ぶ事は、お花の楽しみを広げたり深めたりするための手段でしかありません。

なので今回の講座では、簡単に綺麗に見えるようになるポイント3つ、桃の楽しみ方、お家での楽しみ方の色々などなど、かなり色んなお話をさせていただきました。

決められた形にお花を生けたからと言って、習われた皆さんは幸せにはなりません。
もちろん楽しみも広がりません。

今回の講座を受講してくださった皆さんは、翌日には早速それぞれにお花を生けて楽しんでくださっています。
色んなお話をさせていただきましたが、受講された皆さんがその中から自分に合う楽しみ方をチョイスしてお花を生けて楽しんでくださっています。

贅沢な生活と幸せな生活は別物です

お花を生けるって聞くと、贅沢な事と思われる方も多いです。
しかしお花を生ける事は贅沢でも何でもありません。
お花を生けたり飾ったりすることで得られる「幸せ」が大切なのです。

例えばワインを飲む事は贅沢ですか?
すごく高いワインもありますが、ビールより安いワインもあります。
喉が渇いている時ならワインよりも冷たい水の方が美味しい時もある。
ワインを飲むときにどんな人と一緒に飲んで楽しさや幸せを感じるか、どんなお料理にワインを合わせてその美味しさで幸せを感じるか、喉の渇きをいやすにはワインよりも水の方が美味しくて幸せを感じる事が出来るって事ですよね。

有名な寿司屋さんのお寿司や有名なレストランの料理は美味しいです。
けれど、お母さんの焼いてくれた卵焼きや、むすんでくれたおにぎりの味はいつまでも忘れないし幸せを感じますよね。

先日のマックスブログ塾の後に開催された懇親会も、町の中華屋さんで豪華なお店ではありません。しかし仲間と一緒にいる時間はとても幸せなものです。

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お花を生けるのもおなじです。
決まった形に生けるとか沢山のお花を使って豪華に飾るとか、それは言うなれば「私はいけばなを習ってこんな生け方が出来るのよ」っていう事であったり、「こんなに沢山のお花を使ってお金が沢山掛かっているのよ」っていうような、「贅沢」をしているっていうだけの事なんです。

贅沢と幸せは別物です。
いけばなは皆さんに、お花がある事で生まれる幸せな時間や、お花がある事で生まれる幸せな生活がどうすれば得る事が出来るかを学んで頂くのが一番大切な事なのです。

たった一輪のお花を生けたり飾ったりするだけでも、お花を通じた楽しみや喜びは味わう事が出来ます。

そんな楽しみや喜びを「いけばな」を通じて、もっと皆さんに楽しんでもらいたいと思った一日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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