最近いつ感動して涙を流しましたか。「お風呂の鏡」と「感性」ってよく似ていて知らない間に曇っていることがあります。貴方の感性は曇ってしまっていませんか

こんにちは、内藤正風です。

今日は朝から夜まで、本部いけばな教室でお稽古三昧の1日でした。
とは言え、今日は途中でこの様にしてブログを書く時間もあるくらいですから、バタバタした1日ではなく、お稽古や事務をガッツリと行なうことが出来た1日でした。

そんな今日の教室では水仙を使ったお稽古をしたのですが、シーズン物の材料を使ったお稽古は限られた期間しかお稽古することが出来ないので、前のお稽古から9ヵ月とか10ヵ月とか期間が空いてしまうと「感覚」を忘れてしまっていたりしますよねという話をしました。

ちなみにこの「感覚」ってものはお稽古を通じて磨いてゆくモノですが、「感性」って曇らないように磨いてゆくもので、同じ磨くという言葉が用いられますが、全く違うものなんですよね。

「感性」とは何か

「感性を磨く」と言いますが、これって一般的には、自分を高めるとか自己を磨くって事の中のひとつかなと思います。
では「感性を磨く」ってどういう事でしょう。

そもそも「感性」って、全ての人に生まれながらに備わっているモノだと私は思っています。
そして10人いれば10通りの感性がそこには有ります。
では私がなぜ「感性は生まれながらに備わっているもの」と思っているかというと、感性は小さな子供ほど敏感だし豊かだからです。

「感性」とはすなわち ”感受性” です。外からの刺激や印象を受けいれる能力であり、感覚に伴う感情や物を感じとる能力のことです。
ということは、感性と言うアンテナがピュアだからこそ、ちょっとした刺激や印象を敏感に感じる事が出来ると言う事ですし、その感じたことについて大きな反応をすることが出来るのだと思います。

 

では感性って、子供だけのものでしょうか。
いいえそんなことは無いですよね。
毎日の生活の中で感動したり刺激を受けたりするっていうことは、大人にも感性は備わっているって言うことです。

例えば映画やお芝居を見ていて感動しますよね。
しかしこの感動するポイントは、人それぞれによって違います。
これこそ、人それぞれによって持って生まれた感性が違う上に、重ねてきた人生経験が違うからこそ感動するポイントの違いとなって現れるのだと思います。
ただ大人は人生経験を重ねる事で多少の事では響かなくなってしまっていたり、感情をストレートに表に出すのはカッコ悪いと思っていたり、人前で泣くものではないと思っていたりすることにより、感性を意識して鈍感にしてしまっている方が多いようにも思います。

なので私は「感性を磨く」と言うのは、感性と言うアンテナを立てると言う事ではなく、鈍感にならない様にすると言う事だと思っています。

「感性」はお風呂の鏡と同じ

皆さんのご自宅のお風呂には、鏡は有りますでしょうか。
お風呂の鏡って毎日見ているので気付きませんが、実は日々少しずつ曇ってきている事にお気づきでしょうか。
水垢がついたりシャンプーや石鹸の流れていないものが残っていたりして、チョットずつチョットずつ汚れると言うか曇ってきています。

そしてある日、「なんか見えにくいなぁ~」と思った時には完全に曇ってしまっていて、ちょっとやそっとの手入れでは曇りが取れなくなってしまっているのです。

私達の「感性」も同じなのです。
子どもってチョットしたことで大喜びしますよね。感動して涙を流すことも珍しくありません。なのに年を重ねれば重ねるほど、少々の刺激では感性が震えなくなってきてしまいます。
大人という鎧を着る事によって強く見せている部分もあるでしょうし、人生の荒波を乗り越え悲喜交々を沢山体験してきたことにより鈍感になってしまっている部分もあると思うのです。

この様に考えると、まさに「感性」と「お風呂の鏡」は同じだと私は思うのです。

「感性」を曇らせないようにするのは、日頃のありよう次第

自分の感性を曇らせてしまうか、チョットの刺激でも敏感に感じる事が出来るようにしているかは、その人の日頃のありよう次第だと思います。

映画やテレビを見て最近いつ泣きましたか?最近いつ音楽を聴いて感動したり涙したりしましたか?
感性を震わせるようなことをしていますか?そんな場所に行っていますか?
魅力的な人は感性が敏感で、色んな事に興味を持たれているのは間違いありません。

毎日色んな事に興味を盛ち、感性を震わせることを忘れないようにしたいですね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。