考えながら失敗することのススメ。人はどれだけ沢山の失敗をしたかが成長につながるのです

ごきげんよう。こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は光風流本部いけばな教室で、教室三昧の一日でした。教室を開催して生徒の皆さんが熱心にお花と向き合われている空気感は大好きな時間なのですが、先代が晩年は体力が持たないのでお稽古の時間を短くしていたのを思うと、私もあと十年か十五年か後にはそんな日が来るのかなぁ。。なんて思うと、こうやって朝から晩までどっぷりとお花やお稽古や生徒さんと過ごす時間を大切にしないとなぁと思います。

「出来た」に原因のないものはあるが、「出来ない」には必ず原因がある

 

今日のお稽古の中で生徒さんに、「いけばなのお稽古をしていて、なぜかわからないけれど出来たということはあるが、出来なかったことには必ず原因がある」というお話をさせていただきました。
これは私の持論なのですが、世の中のほとんどの方が成功は良いことで失敗は良くないことと考えられていますが、実はこれ大きな間違いで、失敗すなわち出来なかったことにこそ沢山の学びが埋もれているのです。

皆さんお仕事や日常生活の中でこんな経験はありませんか、なぜかわからないけれどうまく物事が進んだり、何かを作ったら出来ちゃったりしたことって。そうなんです。成功には理由のない成功が存在するのです。
しかしその逆に、思い通りに物事が進まなかったり、何かを作っているのにうまくできない事には、必ず原因があるのです。なので失敗は単にダメなことではなく、その原因を考えて改善することによって自分の学びと経験にしてゆくことができるのです。

意識することの大切さ

お話をいけばなに戻して、お花を生けてうまくいかないときにも、この原因を考えて改善するというのはとても大切ですし早く上達する秘訣でもあります。すなわち「意識する」という事です。

「意識する」って言ってもわかりにくいですよね。言い方を変えると「考えながら失敗する」ということです。つまり、なぜうまく出来なかったのかを考える。どこが悪かったのかを考える。そして自分なりにダメだった点を仮定し、改善してやってみる。ということです。

失敗はダメなことではありません。失敗から学ぶことの方が絶対に多いのです。なので失敗をしたら「1経験値を積むことができた」と喜ぶべきなのです。

アンテナが立っているかいないかで学びは大きく変わります

意識するというのは「アンテナが立つ」という事です。自分に関係する事や自分にとって役立つことを集めようとする意識です。
テレビが良い例だと思います。地球上には色んな電波が飛んでいます。CS,BS,地上波。。。そんな中でCSの放送を見ようとしたらCSの電波を捕まえる事が出来るアンテナを立てないと見ることは出来ないです。BSにはBSのアンテナが、地上波には地上波のアンテナが必要です。

いけばなのお稽古を通じて沢山の情報が目の前を流れていっていても、意識をしていない時は全ての情報が素通りしてしまっている状態です。しかし「なぜ失敗したのだろう」という思考を常に持つことができるようになったとたんに自分にアンテナが立ち、それまで気にもならなかった事が学びとして残る様になるのです。

意識することによって得られる学びは、とても大きなものがあります。あなたも考えながら沢山の失敗をしてみませんか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。