センスが良いと言われている人は、物事に愚直に取り組み、そして苦手な事や新しい事に挑戦し続けているのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

水曜日の教室で「センス」と言うことについて、生徒さんとお話しする機会があったので、今日はそんなことについて書きたいと思います。

センスは生まれ持ったものではない

センスは生まれ持ったものだと思われている方が結構おられ、いけばなをお稽古していても「○○さんはセンスがいいから」とか「私はセンス無いから」とか言われる方が有りますが、私はこの考えは半分正しく半分は間違っていると思っています。
なぜならセンスというものは、磨いてはじめてその輝きが生まれるものだからです。

プロ野球を例にして考えてみれば一番よくわかると思います。
アメリカの大リーグで大活躍をしたイチロー選手は、センスと言う事でいうと一流のセンスと言うか世界のトップクラスのセンスをお持ちなのは全ての方が認めるところだと思います。ということは、センスがあるから野球が上手なのでしょうか?
この ”センスがあるから上手” という論理で考えると、イチロー選手はセンスがあるから練習なんてしなくても成績が残せるっていう話になっちゃいますよね。けれどみなさんご存じのように、イチロー選手は練習を物凄くされる人だというのは有名な話ですよね。自己摂生もそう、練習もそう、全て人一倍されています。すべてを私たちが真似できないレベルで行われています。

イチロー選手 = センスがある = 練習しなくても上手で超一流選手として活躍した。という事ではなく、ほかの人が真似できないレベルの練習を行ったから超一流選手として活躍することができたという事に他ならないのです。

センスは自分で磨くもの

すなわちセンスは、練習や経験を積み重ねるからこそ、磨かれて光ってゆくものなのです。そしてそれは自分が得意だったり出来る事ばかりをするのではなく、苦手な事や新しい事に挑戦するからこそ、センスが磨かれてゆくのです。

センスは宝石の原石と一緒です。何もしなければただの石ころです。しかしその石を磨き上げたり特徴にあわせてカットをしたりすることによって、綺麗な光を放つようになってゆきます。そしてそれは石の種類によって色も違います。形も違います。カット次第で輝き方も違ってきます。

人間は全ての方にセンスがあります。センスのない人なんてこの世にはいません。
ただそのセンスは10人いれば全員が違うセンスを持っているのです。だから隣の人と同じ事が出来ない、同じように出来ないなんて思う事自体が無駄な事なのです。
貴方には貴方だけのセンスがあります。つまり原石で言うとルビーにはルビーの、ヒスイにはヒスイの、水晶には水晶の、ダイヤモンドにはダイヤモンドの美しさがあるしそれぞれに合わせた磨き方やカットの仕方があるのです。
どれが良くてどれが劣っているって事ではありません。

センスを磨く近道は、愚直に取り組み続けることと、苦手なことや新しいことにチャレンジし続ける事

ただそんな中で注意しないといけないのは、人間は自分の得意な事をしていたい生き物です。だって楽ですもん。けれどそれでは自分と言う原石を磨く事が出来ないのです。
あなたの特徴と言うセンスを磨くためには、どんどん新しい事にチャレンジしてゆけばいいのです。そうすればあなたのセンスは、知らず知らずのうちにどんどん磨かれてゆきます。

全ての人にキラリと光るセンスのもとは備わっているのです。あとはあなたが苦手なことや新しいことにチャレンジするかしないか、そして磨き続けるかどうかだけなのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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