新しいものに興味を持ち、新しいものを取り入れ、自らを変化させてゆかなければ、発展どころか生き残る事すらできないのです

こんばんは、内藤正風です。

今日は友達に頼みたいことがあったので、教室に行く前にちょいと立ち寄ってきました。
頼み事はソッコーオッケーで、ブツが出来上がるまでの間の時間を近くの喫茶店でお茶を飲んでウダウダ言っていたのですが、その時に「変わらなければ未来は無くなっちゃうよね」っていう話になりました。

日本は100年以上の歴史を積み重ねている会社が世界一多い国です

日本は100年以上の歴史を積み重ねている会社が世界一多いって話を聞かれたことがある方も多いと思います。
その理由はいくつも挙げられると思います。
・経営者と従業員が家族的だから。
・日本人は白黒をはっきりとさせないから。
・外部からの刺激をうまく取り入れる順応性があるから。
・本業を一途に行ってきたから。
他にもいっぱいあげられるのではないかと思います。

そんな中で100年以上続いている全ての企業に絶対に共通する点が1つあるのです。
それは「変わる」という事です。

「変わる(変える)」と言う事

長年続いている企業ほど、時代にあわせて変わってきているし、自ら変えてきているのです。
ちなみに変える(変わる)には大きく分ければ2通りあります。

1つ目は、本業とするものを変えるというパターンです。
皆さんよくご存じの「シャープ」は、ベルトのバックルからスタートして、シャープペンシルや家電というように本業が変わったり異業種にも広がっていくことで100年以上の歴史を歩んでいます。

2つ目は、本業自体は変わらないけれど、その取り組むものを時代とともに変えるというパターンです。
こちらも皆さんよくご存じの「とらや」は、室町時代の創業以来お菓子を作ってこられています。
お菓子と言う本業は変わりませんが、時代にあわせて作るお菓子を変えたり、味を変えたりして、その時代時代に会うように変わってきています。

創業時と製品も組織も運営もその他何から何まで全く変わっていない。。変えていない。。。と言う組織は絶対に残ってこれないのです。
なぜならば、時代は常に移り変わるものですし、人々の価値観も常に移り変わるものだからです。

変わるからこそ永続できる可能性が生まれる

いけばなも同じです。
お稽古から離れて何年も(時には十何年とか二十何年とか。。。)経っている方から、「私がしていた頃と変わったね」と仰られる方がありますが、これって変わっていないとおかしいのです。

例えば器。
古典の花器は変わりませんが、壺とか水盤は形や色や素材が時代のニーズにあわせてどんどん変わってゆきます。

例えばお花。
新品種のお花がどんどん開発されていますし、外国からも新品種のお花がどんどん入ってきます。色の取り合わせなども、時代の流れの中でどんどん移り変わってゆきます。

例えば飾る場所。
以前は床の間を中心にして考えられてきましたが、今は床の間が無いお家がどんどん増えてきていますよね。

花を生ける、お花を長く生かす、お花を生ける事で空間を生かす、と言うようなことは十年前も五十年前も百年前も変わらずに行われてきています。
しかし、そのお花を生ける環境や、お花を長く生かすための手法や、お花を活けて空間の活かし方は時代とともに常に変わってきています。

これらすべてが変わってきていなかったら、いけばなはとっくの昔に消えてなくなってしまっています。
(笑)(汗)
だって世の中から求められているものや環境などに合わなくなってしまったら、みんなから見向きもされなくなってしまって廃れていくしかないのですから。

時代はどんどん移り変わってゆきます。そしてこれからの10年は想像もできないくらい変わってゆくでしょう

いま、いけばなが置かれている環境は、以前とは全く違っています。

女性の花嫁修業とか嫁入り道具の1つとしての許状という考え方は今は無く、そういう考え方をもとにして起こっていた数十年前の”いけばなブーム”はすでに過去のものとなり、いけばなをお稽古する人の数は大きく減っています。
また少子高齢化はどんどん進んでいて、人口はこれから減り続けてゆきます。
そんな中で基本的に世の中というか日本は力が失われてきています。

いうなればこれまでの世の中の価値観とは大きく変わってきているのです。
モノを買って所有する時代の終わり、大量消費する時代の終わり、みんなと同じことをするのが良しとされた時代の終わりなどなど、ある意味、世の中の価値観が革命的な移り変わりをしています。
この10年で世の中は大きく移り変わりました。そしてこれからの10年で、今までの10年以上に大きな変化があるでしょう。

いけばなも、というか、いけばな教室も流派も変わらなければ生き残ることは出来ない

そんななかで、私たちいけばなをしている人間も、自らを変える必要があるのです。

沢山の生徒さんが習いに来られることにより成立するようになっていた時代の教室のシステムから、少人数でも運営していくことが出来る教室へ変えるという事。
とにかくお免状を発行していればよかった時代のお稽古内容から、ステップアップや自己成長や自己投資として満足することができるお稽古のカリキュラムへ進化するという事。

変わる(変える)という柔軟さがあるからこそ未来が開けるのです。
ってか、変わらなければ確実に未来はなくなるのです。

そんな事についてお互いの職業を通じて語り合った時間でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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