私は10月に開催する “光風流いけばな展“ は、日頃のお稽古の成果を発表するだけではなく「新しい挑戦」を行う機会だと思っています

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今日は朝から光風流本部いけばな教室でお稽古三昧の1日でした。

やっぱりお稽古って楽しいです。真剣に作品と向き合われている姿、花材を見つめる眼差し、横で見ているだけでもワクワクしてきます。
特に10月に開催する「光風流いけばな展」に向けて、作品作りに取り組み試行錯誤されている皆さんの姿は、頼もしさを感じます。

私は"いけばな展"は「実験場」でなければならないと思っています

私はいけばな展は、日頃のお稽古の成果を発表するだけにとどまらず、「実験場」でなければならないと思っています。
なぜそんな風に思うかというと「時代は常に移り変わってゆく」からです。

”いけばな” は、私達の生活と共にあります。
自分のお部屋に生けているお花。ホテルや旅館で見かけるお花。ショーウインドーに生けられたお花。舞台を彩るお花。お祝いや不祝儀のお花。日常、非日常問わずあらゆる場面に ”いけばな” にはその役割が有ります。

そんな ”いけばな” を生けたり見たりするのは人間です。人間がお花を愛でたり生けたりするということは、そこに好みや流行というものが大きな要素として存在しており、世の中の価値観や好み、住宅環境やライフスタイルの影響を大きく受けると言うことなのです。

すなわち ”いけばな” は不変のものではなく、常に人の好みや価値観と共に移り変わるものであり、どのように変化してゆくのかは誰にも分からないのですから、模索をする事しか未来に歩みを進める方法はないという事なのです。

未来に生き残るために必要なのは、変化する事

未来に歩みを進めるために大切なのは、ダーウインが進化論の中で言われている「適者生存」こそがその答えなのだと私は思っています。
ダーウインは進化論の中で、弱者が消え、強者が生き残るのではない。その環境に適合できたものが生き残っている。すなわち環境に合わせて変化する事が出来たものが適者であり、適者だけが生き残る事が出来るのだと説いています。
これって”いけばな”も”商店”も”企業”も同じ事だと思いませんか。

”変わる” ってたったひと言ですが、変わるには長い時間と大きな労力が必要です。だって誰もこれまでに足を踏み入れておらず何が正解か不正解かもわからない中で模索するしかないのですから。

毎日が実験場

なにが正解か不正解か分からないと言いましたが、私は正解も不正解も存在していないと思っています。
だって正解を見つけたから生き残ることが出来たのではなく、生き残ることが出来た人が行なっていた事が正解といわれるだけなのですから。

正解も不正解もないのならば「とにかく変わろうとする」しかないですよね。すなわちそれは色々な事に挑戦するって事なのです。
そんな中、私は ”いけばな展” も「挑戦や実験を行うに相応しい場」だと思っています。日頃のお稽古で知識や技術を豊かにして、その土台を元にして色々な変化や応用をする。挑戦や実験を行う。そこで得た経験こそがノウハウとして蓄積されて、その後の変化に結びつく事が出来るのだと思っています。

今回の光風流いけばな展でも、思いつく挑戦をしっかりと行なってゆきたいなぁと思っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。