「沢山の作品を展示しなくても楽しめる”いけばな展”を開催する事ができる」という事を実証できた「光風流いけばな野外展 in 芦屋」

こんにちは。内藤正風です。

昨日開催した「光風流いけばな野外展 in 芦屋」、本っ当~~~に楽しかったです。

やっぱり屋外ってだけでテンションが上がります。

そんな中で今回の野外展では、これまでに私が思っていたことを実際に試してみたりしながら、色んな事を感じたり色んな事を学んだりしたので、今日はその中の1つについて書きたいと思います。

いけばな展って沢山の作品が並んでいなければならないのか

「いけばな展」って聞くと、ある程度の作品数が展示されているって皆さん思われると思います。
しかし私はこのこと自体に少し前から疑問を感じていました。”なぜいけばな展はいけばな作品が沢山並んでいないといけないのだろう?”と。

作品を展示する人の数が多ければ、確かに作品数も多くなります。50人なら50作品、100人なら100作品ってことですよね。
しかしそれだと、”作品を展示する人の数がおおくなければいけばな展を開催することが出来ない”ってことになっちゃいます。
私はこのこと自体に凄く違和感を感じていたんです。

作品数が必要ないけばな展も確かにある

確かに”流派”というくくりや”支部”というくくりで「いけばな展」を開催するには、ある程度の作品数は必要になると思います。

流派のいけばな展ならば流派で活躍されている皆さんの作品がそこにあったほうが良いでしょう。あるいは流派の考えや取り組んでいる事、古典的な作品や現代的な箔品などを展示し流派について皆さんに知ってもらいたいと思えば当然作品数も増えてきちゃいます。

人に焦点を当てた「いけばな展」もあっていいと思う

ということは、その逆の考え方や行ない方も成立するんではないでしょうか。
1人で個展を行なうなら1人で生けた2~3作品展示されているだけでも立派な個展です。例えばグループでいけばな展を行なうならば、5人なら5人×1作品=5作品でも立派ないけばな展じゃないかと思うのです。

だって、個展を行なったときに会場に来てくださる皆さんはその大半が友人や知り合いですよね。ってことは作品を見に来ているという側面と共にその人自身に会いに来ているという側面も大きな要素ではないかと思うのです。
すなわちこの考え方の中心は、「人に会いに行く”いけばな展”」ということです。

ならば作品数が沢山展示されていなくても、その人と出会い話をする中で満足したり楽しんで頂くことが出来る”いけばな展”という空間を作り上げることは可能だと思うのです。

展示されている作品はたった5作品だったけれど、作者も来場者も楽しんで満足できた”いけばな展”

実際昨日の展示作品数は”たった”5作品でした。ええ、これまでのいけばなの常識的な中でいうならば”たった”という表現がまさにピッタリとくる表現だと思います。

しかしこの作品を作り上げ展示を行なった私のほかの4人の皆さんは、全員が「楽しかった」「良かった」「面白かった」「色んな気づきがあった」と言ってくださっています。
そしてお越しくださった皆さんも作品を見て帰るのではなく、かなり長時間会場で過ごしてくださっていました。
そんな風にして楽しんでくださっている様を私があれだこれだと言うよりも、皆さんのFacebookの投稿でご覧いただければ一番伝わるのではないでしょうか。

藤井雅範さんの投稿

沖啓太郎さんの投稿

工藤友里さんの投稿

雑賀静さんの投稿

 

今回のいけばな展では「沢山の作品を展示しなくても楽しめる”いけばな展”を開催する事ができる」という事を実証できた機会になり、私自身も本当に楽しく過ごすことが出来た1日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。