「基本」とは制約し縛るものではなく、自分らしさを表現する土台であり舞台になるものです
こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。
今日は一日中、いけばなの講習会を行いました。
今日開催したのは、流派の幹部の先生方対象の今年最後の講習会で、午前中に ひとクラス、午後からもうひとクラス開催しました。
「いけばな」は、お花を挿すだけのものではない
今日の講習会では受講されている皆さんに「現状を見つめる事の大切さと、そこから開く未来への扉」って事についてもお話させて頂きました。
まあこれだけでは全然意味わからないと思いますので、どういう事かと言うと。。。
今は色んなものの境がなくなって来ています。
和室と洋室の境目、電話とパソコンの境目、男性と女性の境目。(笑)(笑)
洋間にコタツを置いてくつろぐ。
スマホがいつも傍らにある。
草食男子に肉食女子。
それが良いとか悪いとかという事ではなく、そういう現状であると言う事実とまず向き合いそして知る必要があります。
そしてこういう現状から、今までになかった新しい道具や新しい価値観が生まれて来ているのも事実です。
時代が移り変わるということは、価値観や環境も変わるという事であり、その中でどの様に自らを変革させて行くかということが大切な事ですし、その事こそが「いけばな」が未来への扉を開くキーなんだというお話をさせて頂きました。
あっ、もちろん今日の課題の生け方についての説明もさせて頂きましたYO-。(笑)
「基本」の捉え方で、まるっきり違う解釈が生まれる
「いけばな」ってお花を生ける事とか、決められた形にお花を生けるって言うことだと思っている方が多いですが、これは大きな間違いです。
これはきっと「基本」と言う考え方が有るので、これを正しく理解できない人がこのように感じてしまうのでしょうし、無理はないと思います。
「基本」とは核であり指針と言う存在です。
決して行動を制約する存在ではありません。
「基本」はボールで例えるならば「核」です。
核がしっかりとしているからその周りに肉付きを自由にする事が出来るのです。
小さな核に少し肉をつけたらゴルフボールみたいになります。
もう少し核を大きく育てて、そこに肉付きをすればバレーボールの様にもなります。
その人の好みによってはラグビーボールのような形にも出来ます。
すなわち、十人いれば十通りの形のボールが出来上がるのです。
基本とは踏み台です。
あなたがどんな事が出来る下地(可能性)があるかって事です。
基本をあまりしていない方の踏み台は低いので、その上に上がっても手の届く範囲は限られてきます。
逆に基本をしっかりとマスターされている方は高い踏み台を持っているのですから、低い所から高い所まで広範囲に手が届くようになりますよね、すなわち可能性がそれだけ広いし楽しめる事が沢山あるって言うことです。
自転車に乗るのもバランス感覚と言う基本がシッカリしているほど、色んな乗り方が可能になりますよね。
片手離したり、両手離したり、ジャンプしたり、前輪を浮かすウイリーしたり。
「基本」とはすなわちこういう事なんです。
自分らしさを表現する土台が「基本」
自分の土台を大きくするために必要な「基本」
土台の上で自由に自分の好みや色を出して表現する「自分らしさ」
この両方が大切ですし、この両方を育てる事こそが上達の秘訣と言うか早道なのです。
上達に一足飛びはありません。
しかし最短距離はあります。
私の教室で学ぶ皆さん方には、最短距離を進んで、楽しみを無限に広げてもらえたら嬉しいなあと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。