ヘッドスパ100人達成から思った日本人の本来持つ特性と、「いけばな」の今後

こんばんは。
今日は一日中、クリスマスのお花やお正月のお花を教室で指導させて頂いた、いけばなの光風流家元 内藤正風です。

一昨日、友達のエイサクこと藤川拓人さんの彼女の、アンちゃんこと池内紗智子さんの、ヘッドスパ100人達成のお祝いに、阪急豊中駅近くにあるアピエ美容室に行ってきました。

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アンちゃんが、ヘッドスパのモデルを皆さんにお願いして100人行うって言われてスタートされてから、約三か月間。
事務のお仕事をされながら、平日にお仕事が休憩になるお昼間や、お仕事がお休みの土日に、お友達に声を掛けられて達成されました。

ヘッドスパの練習としての開催でしたから、お金は取られずに行われていますが、それにしてもこの三か月と言うペースは驚異的だと思います。

一口に100人達成って言っても凄い地道な作業の積み重ねの結果ですよね。
一人づつ積み重ねてゆくしかないこの取り組みを、お仕事の合間合間に行って約三か月で達成されただなんて、ほんと凄いと思います。

ヘッドスパ100人達成から思った「いけばな」の現状

今、日本は大きな転換期に来ていると言われます。
色んな価値観が大きく変わってきています。
いけばなの世界も同様です。

30年とか前までは女性の素養としての位置づけから、ほぼ全ての女性が「いけばな」をお稽古されていました。
そして嫁入り道具のひとつ的な価値観から、ほぼ全ての方がお免状の取得を希望されました。
しかし今ではいけばなをお稽古されない方が大半になり、許状を取得される方は少数派になりました。

そういう中で「昔は沢山の方がお稽古されたのに、今は全然だ」って言われる方や、「免状を誰も取得しない」って言われる方がとても多いです。

しかし私は30年くらい前の、ほぼすべての女子がお稽古をし、大半の人がお免状を取得していたのは異常な状態だと思っています。
だって女子だからいけばなを学ばないといけないっていうのは、おかしな話ですよね。
そもそもいけばなって男性中心に行われていた時代が長く続いていたのですから。女性も男性も楽しめるものであるはずです。
結婚するのに師範の免状を持っていないと格好がつかないっていうのもおかしな話ですよね。

しかしその当時はそれを誰もおかしいと思わずに、いけばながドンドン普及し発展する事に浮かれてしまっていたのです。

そして結果どうなったかと言うと、お稽古されている皆さん方にいけばなの本当の価値を伝える事もほとんど出来ず、新しくお稽古に来られる方で溢れているので、目の前のお弟子さんを大切にもせず、いけばな人口の衰微が始まってしまい、現在の状況になっているのです。

ヘッドスパ100人達成で感じた、口こみの恐ろしさと破壊力

アンちゃんがたった3ヶ月でヘッドスパ100人達成できたのは、エイサクやアンちゃんのファンの応援したいと思う気持ちだと思います。
もちろんタダだから来たって人もあると思いますが、一番中心なのは2人を応援したいと思う気持ちに他ならないと思います。

ファンっていうのは、放っておいて勝手に出来るモノじゃないです。
私達でいうならば、日常の繋がりがその原動力になるのです。

エイサクやアンちゃんは、仲間や友達のところに事有る毎に度々足を運んだり顔を出したりしています。
だから仲間や友達は、エイサクとアンちゃんは今付き合っている人や友達を大切にする人達なんだっていう信頼を感じますし、それだけではなくその様子を見たり聞いたりしている周辺にいる人たちにも同様の印象を与えていると思います。

その事で、繋がりが深い人がヘッドスパに行こうって行動する事だけに止まらず、繋がりの薄い人たちも行動を起こすキッカケと後押しになっているのです。
そしてこの人たちが自分の周辺の人に紹介しようと言う行動、すなわち口こみにも結び付いているって事なんだと思います。

エイサクとアンちゃんの今回のヘッドスパ100人斬りって、人間関係やビジネスのお手本だなーってスッゴイ感じました。

日本は村社会であり、その事が全ての中心にあるのです。

ビジネスセミナーの類は、マットさんこと藤井雅範さんのお話を聞かせて頂いた事しかないのでビジネスということはよくわかりません。

しかし私は、日本は元来、村社会がその基本だと思っています。
これは村社会が良いとか悪いとかと言う事ではなく日本の特性であるという風に思っています。
すなわち日本が建国以来2676年の歴史を積み重ねてくる中で出来上がってきた、民族の特徴に基づいたモノの考え方と行動パターンなのです。

それが第二次大戦後のアメリカ統治時代の「日本人を骨抜きにする政策」導入以降に、おかしくなり、戦後の復興や高度成長時代やバブル経済のなかで、今までにない価値観や手法がもてはやされる様になったのです。
ただこの政策は、右肩上がりすなわち人口が増える→その事により経済活動が増えると言う環境の中でしかその価値は発揮されないものなのです。

そもそも日本の適正人口は何人かと言う事です。
諸説ありますが、そのいずれもに共通しているのは今の日本人口は異常だと言う事です。
って事は、今よりもパイはおのずと小さいわけですし、そうなれば元々日本人が持っている価値や好みに今後大きく左右されるのは火を見るよりも明らかだと思います。

即ち村社会は何で成り立っているかと言うと、口こみです。
良い事も悪い事もすべてこれがその大元になります。

ヘッドスパ三か月で100人達成から学ぶ、今後の「いけばな」の歩み

先に書いた30年より以前の「いけばな」の思考と行動は、戦後の高度成長時代からバブルの頃のものです。
これはもう既に破じょうと破たんしている思考であり行動です。

今私達いけばなを志す者は、いけばなの本当の価値である「華道」と呼ばれている部分をしっかりと自分の周りの皆さんにお伝えしなければならないと思います。
お花を生ける型を学んだり、決まった形にお花を生けたりする事は、手法であって価値ではないのです。

いけばなの価値とは、お花を生けたり飾ったりすることを通じて、その先にどんな幸せな物語を生み出す事が出来るかと言う事です。
幸せな物語とはすなわち、喜びや楽しみと言う事だけではなく、人生で困った時の指針になったり仕事における学びを得る事が出来るモノでなくてはなりません。

それは何故ならば「華道」という「道」のつくものは、その世界の修養を通じて真理を学ぶと言う事に他ならないからです。
真理とは本質でもあります。
例えば、約束を守りましょうとか嘘をついちゃダメですよとか、友達は大切にしましょうとかって事です。

私たち自身がまず自ら原点に立ち返って、いけばなを通じてどれだけ皆さんのお役にたつ事が出来るかを考え、いけばなの持つ魅力を発信すると共に行動を起こす必要がある。
又そう言うことを愚直に積み重ねてゆかなければならないと、そんな事を改めて思う貴重な機会になったヘッドスパ100人達成でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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