「楽しむ」ということを「楽(らく)をする」と勘違いされている方が時々おられますが、「楽(らく)」をしたら「楽しさ」にはたどり着けないですよ
こんにちは、内藤正風です。
一昨日のブログで「新しい体験は自ら求めなければ得ることはできないですし、ドキドキワクワクすることも出来ません」というテーマで、5月に開催するWA音華座でデモンストレーションを行なう光風流の皆様に向けてBlogを書いたのですが、このブログだけだと片手落ちだと思ったので今日のBlogで補足をしたいと思い書いています。
「楽(らく)」と「楽しい」は別物です
一昨日のBlogの中で「せっかくの機会なので楽しみましょう!!」という事を書きましたが、ここで言っている「楽しむ」は「楽をする」という事ではありません。
光風流の先生の中にも「お弟子さんにあまり難しい事を言うとお花を楽しんでもらえないので、出来るだけ負担をかけない様にしている・・・」みたいなお話をされる方がおられて、大きな勘違いをされているなあと感じることがたまにあります。
すなわちその先生は「楽をする」=「楽しむ」と言うふうに考えておられるのですが、「楽(らく)」の先に「楽しみ」は絶対に生まれてきません。
「楽(らく)」と「楽しみ」とは
まず「楽(らく)をする」という事から考えてみたいと思います。
例えば毎日寝て過ごしていたらどうでしょうか。最初の数日は、いくらでも寝ている事が出来たり、ゴロゴロぐうたらとする事が出来ると、「の~んびりできて良いなぁ」って思われる事でしょう。
しかし1週間こんな生活をつづけたらどうでしょう。
グダグダしているのに飽きてきませんか?
グダグダした生活に満足感って感じないですよね。
そんな生活が2週間続いたらどうでしょうか?
自分の中で毎日を無意味に過ごしてしまっているっていう後ろめたさすら感じ始めたりしないでしょうか。
ここに「楽しさ」や「楽しむ」って一切存在していないとおもうのです。
例えを変えてテレビゲームだとどうでしょうか。
テレビゲームって、中々その面をクリアできないから、どうしたらクリアできるかという事を考え思考錯誤したり、クリアするのに必要な技術を身につけたり、アイテムを揃えたりして、そうしてクリアするから達成感が有るのですよね。だからこそ満足感を得られるのです。
誰かに代わりにやってもらって、全ての面をクリアして、楽しいでしょうか?
「いけばな」もRPGのゲームと同じだと思うのです。
最初はみんなレベル1からスタートしてレベルアップしてゆくから楽しさや満足感があるのです。
満足感や達成感
「いけばな」も「テレビゲーム」も、最初は知識も技術も道具も何も持っていないところから始まります。
最初は基本的な知識や技術を学びます。
道具も初歩的な道具をそろえてゆきます。
そしてレベル2にステップアップする事が出来るのです。
この時に苦労したらいけないからって言って、先生が代わりにプレイしちゃったらどうなるでしょうか。
基本的な知識や技術は先生が全部やってくださって、生徒さんは横で見ているだけ。
必要な道具も先生が持っておられるのを使う。
確かにご本人は何もしなくていいですね。
けれどこんな事して、ご本人は満足感や達成感を得られるでしょうか。絶対に無いと思います。
何の経験もせずにレベルアップどころか、学びすら得る事が出来ないと思います。
達成感や満足感は、しんどさの先にある
しんどい事や大変な事を避けると言うのは、パッと聞いたら良い事のように思います。
しかしそういう機会を持つことが出来ないと言うのは、ご本人にとっては経験や学びを得る事が出来る貴重な機会を無くしてしまうと言う事にほかならず、そういうしんどさの先にある「達成感」や「満足感」や「楽しさ」というものを、自ら放棄してしまう事でもあると思うのです。
模索して試行錯誤するしんどさや生みの苦しみを避けようと思えばいくらでも避けることはできます。しかしそれでは本当の意味での達成感や満足感を味わう事が出来ません。
WA音華座の出演者の皆さん、ぜひ真正面からガッツリとぶつかり、最後に「あ~楽しかった」って一緒に言いましょうね。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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