新しい体験は自ら求めなければ得ることはできないですし、ドキドキワクワクすることも出来ません

こんにちは、内藤正風です。

昨日は光風流本部いけばな教室でお稽古の1日だったのですが、お越しになられた先生から5月に開催する「WA音華座」のいけばなデモンストレーションの事についてご質問がありました。
その時にお話しさせていただいた内容が、このWA音華座でデモンストレーションを担当して頂く他の皆様にも知っていただいたほうが良い内容だと思いますので、今日のBlogネタにさせて頂きます。

新しい体験は、自ら求めなければ得ることはできない

新しい体験は、自ら求めなければ経験することができないし、体験の種類と数こそがその人の魅力につながると私は思っています。

なぜなら新しい体験って、避けて通ろうと思ったらいくらでも避ける事が出来ます。だって「できません」「無理です」っていえばそれでいいんですから。
学校なら「こんな風にしてごらん」とか「準備をしておいたよ」なんて誰かがおぜん立てしてくれます。ご飯でいうならば、調理して配膳して、何なら「あ~んして」って口にまで運んでもらえるくらいに手取り足取りしてもらえます。
しかしそれって学生の間だけのことで、一歩社会に出たらだれもそんなことはしてくれません。
なので社会に出てからは新しい体験がしたければ、自ら進んで取りに行かなければそんな機会は、まぁ巡ってきません。

吹奏楽団の生演奏でお花を生けるだなんて、そうそうできない経験だと思います

今回の「WA音華座」は、イベント自体が新しい体験や模索をするために開催しているといっても過言ではありません。
既存のいけばな展とは、完全に一線を画すものです。

そんな中で、加西市吹奏楽団の皆さんと行なうコラボレーション&デモンストレーションも、中々できない経験が盛りだくさんになっています。
まず吹奏楽ですが、2~3人とか数人で演奏して頂いてお花を生ける様な機会はあるでしょうが、今回のWA音華座では20人とか30人とかの皆様がガッツリ演奏をしてくださいます。
そして音楽に合わせてお花を生けるという機会はよく有りますが、吹奏楽といけばながお互いに1つのテーマを表現するためにコラボレーションしデモンストレーションするような機会もまあほとんどないと言っても過言ではないと思います。

なので今回のWA音華座でデモンストレーションをしてくださる皆様は、希少な経験をつかみ取ることが出来たと誇っていただいてよいと思います。

折角の機会なのですから、楽しまないと勿体ないです

今回のような、楽団で演奏してくださる音楽に合わせてお花をいけるだなんて初体験の方が多いと思います。
私も1人とか2~3人の演奏にあわせてお花を生けたことは何度かありますが、楽団といえる人数の演奏とコラボするのは初めてですし、音楽も同じテーマを表現する形でもコラボレーションは初めてなので、ワクワクしています。

ただ初めての事には不安が伴います。これは全ての人が同様だと思います。
だって初めての事って何をどうしたら良いのか分かりませんし、未経験だからこそどうなるかの予測もたたないですし、不安になるのが当然のことです。
しかし、この不安は今回だけしか体験することはできないんです。だって初めては1回しかないのですから。
子供の頃って毎日ワクワクしていませんでしたか。毎日楽しかったですよね。それって初めての事や分からない事が沢山あったからに他ならないのです。
だからこそ、この1回しか体験することができない初めての不安も楽しまないと勿体ないと私は思うのです。

作品作りも力いっぱい模索していただきたいです

今回のWA音華座に光風流からデモンストレーションでご参加いただく皆さんは、階級の若い方か年齢の若い方でお願いしますと申し上げたのには理由があります。
それは、階級の若い方や年齢の若い方というのは、これからの光風流を担っていただく方だからです。

これからの光風流を担っていただく皆様には単にいけばなの知識や技術を学ぶだけではなく、学んだ知識や技術をどのようにしていけばなはもちろんの事お仕事や家庭生活に役立てたらいいのかや、いけばなを核にした色々な経験をしていただき、そういう豊かないけばな人になっていただきたいと思っています。

なので作品作りも自分の持てる力いっぱいで模索して頂きたいです。人の力なんか借りても自分の誇れる作品なんてできないですよ。
出来不出来とか上手下手を論じる前に、自分の分身として生みの苦しみを経験し、今の自分の力一杯をぶつけ生み出した作品だと5年後10年後の自分自身に向けを張って言うことが出来るように、真正面から作品に向き合っていただきたいです。

自分の持てる力を出し切った時に感じる事が出来る、達成感を経験しましょう。
生みの苦しみの先にある、分身のような作品を作り上げた喜びを経験しましょう。
私はこれをやったんだよと、5年後10年後に胸を張って言うことが出来る実績になるようにしましょう。
私も精一杯自分の力をぶつけて作品作りやデモンストレーションの準備を行ないます。
今回のWA音華座でデモンストレーションを行なっていただく皆様は、私の同士であり仲間です。一緒に目いっぱい楽しみましょうね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。