昨日は十五夜でしたが「中秋の名月」と「仲秋の名月」の違いと、どちらが正しいのかご存知ですか
こんにちは。内藤正風です。
今日は1日事務所でガサゴソしています。
いけばな展のシーズンに入ると、どうしても苦手な事務とかを後回しにしちゃうので、机の上は雪崩警報発令中状態になってしまい、たまに少しだけでも手をつけておかないと”あっ”という間にエライ状態になっちゃいます。
(汗)
昨日は「十五夜」でした
さて、昨日は「十五夜」でしたね。
「十五夜」って聞くと、”お月様が一番きれいな日” とか ”お月見” ってイメージでしょうか。
この「十五夜」って「中秋の名月」ともいうのですが、この”ちゅうしゅう”って言葉には”中秋”って書くのと”仲秋”って表すのと漢字が二通りあるますよね。これなぜだかご存知ですか。
書き間違えではないですよ、ちゃんと意味があるのです。
日本は元々「旧暦」というカレンダーを使っていました
色んなものを読んでいると「ちゅうしゅう」には「中秋」と書かれている時と「仲秋」と書かれている時がありますよね。
これは書き間違えではなく、ちゃんと意味があるのです。
日本では元々「旧暦」を使っていました。旧暦というのは今のカレンダーと比べると約1か月から1カ月半程度日程がすれて進むようになっていました。
なので旧暦の頃の考え方で”四季”は、1月~3月が春、4月~6月が夏、7月~9月が秋、10月~12月が冬とされていたのです。(お正月に年賀状に”初春”って書きますよね~)
7月~9月が”秋”って聞くと違和感があるかもしれませんが、旧暦の秋7月~9月は現在の暦でいうと、8月後半~10月くらいの時期にあたるので、おかしくないんですね。
「仲秋」とは
そしてこの旧暦での7月~9月のことを、7月は”初秋”、8月を”仲秋”、9月を”晩秋”という別名で呼びます。
そう、「仲秋」とはすなわち旧暦の8月の事をさす言葉なのです。
ちなみに1月は初春、2月は仲春、3月は晩春と言い、4月は初夏、5月は仲夏、6月は晩夏と呼び、初冬=10月のことで、仲冬=11月、晩冬=12月となるのです。
「中秋」とは
では「中秋」はどういうことをさすのかと言うと、”秋”のど真ん”中”!って事を言います。
すなわち7月~9月の真ん中の月は8月で、この8月の真ん中の日は15日と言う事になります。
すなわち「中秋」とは、旧暦の8月15日をさす言葉ということなのです。
って事で、一般に言われる月の美しい日と言う意味の「ちゅうしゅうの名月」は、「中秋」と書くのが正しいと言う事になりますね。
中国にも「十五夜」はあるんです
ちなみにこの「十五夜」にお月見を行うっていう風習は中国から由来しています。
まあ今の日本では、お月見ってあんまりされているのを聞かないですが、中国では今も大きな節目の1つとして大切にされており、中国(中華圏と言ったほうが良いかな)では「中秋節」といって、春節、清明節、端午節とならんで重要な日と考えられており、中国や台湾では祝日に定められているくらいです。
ちなみに今、中国から”いけばな留学”で日本に来日され光風流で学ばれている張さんは、昨日は「中秋節」なのでお嬢ちゃんと一緒に過ごしてお祝いをされないといけないので、お稽古はお休みされました。
ところ変われば文化も違うし風習も違うって事ですね。
それぞれの地域や人の文化や風流を尊重するって事が、文化交流をはじめ人と人との繋がりを深める第一歩だと私は思います。
なので今はまだおられないですが、イスラム圏から”いけばな留学”に来られたら、お稽古の最中であっても決まった時間に決まった方向を向いてお祈りして頂きますよ~!
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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