お正月に飾ったお花はいつ片付けたらいいのか?日本には「お下がり」の文化があります。捨てたり燃やしちゃ勿体ないですよ。
こんにちは。内藤正風です。
昨日こんなご質問を頂きました。
「年末に生けて飾ったお正月のお花はいつ頃下げたらイイのでしょうか?」
たぶん疑問に思われている方も多いと思いますし、勿体ない片付け方をされている方もあると思いますので、今日はブログで書かせて頂きますね。
お正月のお花は大きく分けて2通りのパターンがあると思います。1つは「若松」と呼ばれるもの。もう1つはそれ以外のもの。
まず最初に「若松」と呼ばれるものからお話させて頂きます。
若松は、お正月のあとどうしたらいいのか
若松と言うのは下の写真のようなものです。
昨年のお稽古の後の写真撮影中のスナップ
このお花はお正月のお花として凛としたその姿がお部屋の空気までピンとさせてくれて背筋が伸びるような気がしますよね。
とんど焼の時に注連縄と一緒にこの若松も燃やすというお話をよく聞きますが、それはやめてくださいー!まだまだ綺麗なお花を燃やしちゃうだなんて勿体なすぎます。
日本には「お下がり」という文化があります。例えば”鏡餅”はお正月が終わったら鏡開きをしてお雑煮とかにして頂きますよね。お花もこの「お下がり」の考え方で、お正月が終わったらお部屋のお花として生かしてあげましょう。
お正月の若松は奉書(ほうしょ)や水引(みずひき)が掛けられています。この奉書や水引はお正月ならではのものですから外して、とんど焼の時に注連縄などと一緒に燃やして頂ければ良いでしょう。奉書や水引を来年の参考に置いておこうと思われる方は取っておいていただければ結構です。
そして若松ですが、お正月の時と同じ形のままで飾っておくのも味気ないですので、お花屋さんでお好きなお花を買ってきて壺や水盤に生け直しをして頂くと、また新たに楽しんでいただく事が出来るようになります。
若松以外のお花は、お正月のあとどうしたら良いのか
若松以外のお花は、そのまま飾っておいていただいて結構です。ただお花の中にお正月を連想させるような小物(水引、凧、羽子板などのようなもの)があしらってある場合にはそれは外しておくのが良いでしょう。
そして飾っていると少しずつ傷んだお花が出てくると思いますので、傷んだお花は抜いて春らしいお花をお花屋さんで買ってきて差し替えて頂くと、段々と春らしい風情のお花になって楽しめます。
ちなみにお花屋さんは1月に入ると春を感じさせるお花が店頭に並ぶようになりますので、色んなお花をお好みで選んでいただく事が出来ますよ。
お正月のお花は、いつ片付けたら良いのか
お正月は一般に「松の内」と呼ばれる期間がそれにあたります。松の内とはすなわち注連縄や門松を飾っている期間の事です。ですのでこの松の内が終わったら、先に書かせて頂いたようにして頂ければ結構です。
ちなみに松の内の期間は地域によって違いがあるようです。
7日と言うところ10日と言うところ15日のところなど様々ですのでその地域の風習に従われたら良いと思います。もしその地域の風習がわからなければお父様やお母様、近所のおじさんやおばさんに聞いてみられてはどうでしょう。
日本にある「お下がり」の文化
いま日本では、リフォームとかリサイクルと言うことが注目を浴びています。しかし実は日本は古来より「お下がり」の考え方に象徴されるように、物を大切にし再利用をするという文化が根付いている国なのです。
神仏からのお下がり。兄弟や親子の間でのお下がり。服や着物の仕立て直し。お家の移築。色々なところに根付いています。
お花も綺麗なお花を処分するような事はせず、お下がりとしてその命の最後まで楽しみ全うさせてあげるようにしてはどうでしょうか。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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