ものの価値は、時間や手間を惜しまず大層にしなければ伝わらないし理解してもらうこともできなくなります
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ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
今日は許状授与式を光風流本部いけばな教室において開催いたしました。
光風流では、許状の意味と価値を正しく皆さんに伝え知っていただくことが出来るように許状授与式を開催しており、特にその中でも大きな節目になる許状については、家元において授与式を行うようになっております。
そのものの価値を伝えたければ、手間を惜しんではならない
私は物事の価値は、その価値に見合う手間暇をかけなければ伝わらないと思っています。
例えばお寺のご本尊ですが、どんなに霊験あらたかなご本尊であっても、裏山の藪の雑草ボーボーの中に転がされていては、ご利益があるようにもお陰があるようにも思いにくいですよね。しかし大きな本堂の中で装飾された環境でご本尊が安置されていると、ご本尊がチラチラしか見えないような状態や秘仏として全く目にすることができなかっても、お参りするとお陰があるような気持ちになりますよね。
なので私は、価値を伝えたいのならば、面倒だったり手間がかかったりすることをしなければならないと思うのです。
面倒だから、手間がかからないように、という考えが蔓延しておかしくなった、日本人の正月感
日本人にとってお正月は格別な存在です。すなわち日本におけるお正月の古来からの位置づけは、歳神様(地域の神様や、先祖、八百万神など)との一体化を図る ”神事” なのです。したがって西欧諸国のようにお正月休み、すなわちバケーションではないですし、アジア諸国のお正月とも少し意味合いが違っています。
ちなみに日本のお正月が神事であるという事が簡単にわかるのは、お正月には注連縄を玄関に飾りますし、門松を玄関に飾る風習が良い例でしょう。これらは歳神様をお迎えするための注連縄は結界であり、門松は目印に他ならないのです。だからこそ年末には大掃除をして、自宅を清められた空間にしていたのです。
またお節料理も、神事としてのお正月だから火の神様(かまどの神様)には元日はお休みいただこう、そして家庭の奥様にも元日はお休みいただこうという意味合いもあるわけですし、神事として考えた場合にお風呂の神様にもお休みいただこうという事で、元日はお風呂に入ってはいけないといわれているのです。
だからこそ古来お正月を迎える準備として、年末に大人も子供も家族総出で大掃除をしたり、大晦日ぎりぎりまでおせち料理を用意したりしていたのですし、年頭に当たって家族や親戚が集まって同じ時間を過ごしたり、お世話になっている方々にご挨拶に伺ったりしていたという事なのです。
しかし最近では、年末の忙しい時に手間がとられるから大掃除はしない、おせち料理は作るのが面倒だからお取り寄せ、交通費や時間がもったいないから親にも兄弟にもお世話になっている方にも挨拶にいかない、というのが普通になっています。
そして西洋のお正月の捉え方にならい、正月休み、正月連休、正月バケーションという事で、旅行に行かれる方も少なくないと思います。
その結果どうなったかというと、日本人の多くがお正月を特別なもの格別なものと捉えることがなくなってしまたのです。
大層するからこそ、特別なものという認識と理解を得ることができる
一方、クリスマスを考えると、プレゼントを用意し、特別なお食事を家で家族そろって食べたり、家族や恋人とレストランを予約して出かけたり、有名なホテルを予約して宿泊したりと、ものすごく手間と時間とお金をかけていたりしますよね。
そしてその結果どうなっているかというと、お正月よりもクリスマスのほうが特別なイベントとして位置付けてられている方が多いように思います。あっ、クリスチャンの方は別ですよ。宗教としてのお祭りですから。しかしそうでない方にとっては、単なるイベントでしかないのに、こんなに大層しているんです。
つまり大層するからこそ、そのものの価値が上がるし、そのものの価値が伝わるし、魅力も生まれてくるという事をお分かりいただくことができるのではないかと思います。
そのもの自体の価値は、取り扱っている本人がどれだけ手間をかけ時間をかけているかによって決まるのですし、価値を感じてもらったり理解していただきたいと思うのならば、大層しなければならないのだと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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