大笑いしながら落ち込めない様に、「型」を学ぶということは ”本質を正しく理解する近道” なのです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

先週の木曜日の光風流本部いけばな教室のお稽古の時に、お稽古に来られている生徒さんと「基本」とか「型」という事について話す機会があったので、今日はそんな事についてブログを書きたいと思います。

「型」は ”稚拙な存在” ではない

日本の伝統的なものは「型」を大切に考えます。そして学びの最初は「型」を学ぶ事からスタートします。ちなみにこの「型」というものは、剣術や柔術での型、能や狂言や歌舞伎の型、茶道や書道で基本と呼ばれる型、もちろん私が行なっている ”いけばな” にも型があります。

そしてこの「型」と呼ばれるものは、初心者の段階から学びますので、”レベルの低いモノ” とか ”初心者のモノ” という風に思われがちですが、これは大きな間違いで、「型」は今日初めて行なわれた方から超絶上級者まで、全ての段階で不可欠な存在だからこそ、初心者の段階から学ぶ必要があるという事なのです。
なので「型」が ”堅苦しい” とか ”古臭い” という理解も、きわめて的外れであり、実は「型」があるからこそ、それを元にして自由に変化応用をすることが出来るものでもあるのです。

大笑いしながら落ち込むことは出来ない

「型」というと、技術や知識の側面にどうしても目が行きがちです。確かに知識や技術も大切なのですが、実はもっと大切なことがあるのをご存じでしょうか。それは「型を通して本質を学ぶ」という事です。
と言ってもなかなか解りにくいというか、伝わりにくい事なので、例を変えてお話をしたいと思います。

これから満面の笑顔をしながら大きな声で笑ってみてください。周りに人がいるなら1人になってからして頂いたら結構ですよ。変な人だと思われますから。(笑)
そして満面の笑顔で大きな声で笑いながら、思いっきり落ち込んでみてください。

どうですか。思いっきり落ち込めましたか。たぶん思いっきり落ち込むどころか軽く落ち込むことすら出来なかったのではないかと思います。
これこそ正に、「型」があるからこそ本質をしっかりと理解することが出来るということに他ならないのです。

昔からの言葉に、嫌なことがあったら笑顔になろうとか、しんどい時こそ笑おうとかありますが、これって「真理(物事の本質)」なんです。笑っていたら落ち込めないですし、仮に落ち込んでいても笑っていたら段々どうでもよくなってきちゃいます。これこそが「型」の効果です。
つまり「笑う」という型は、元気になったり前向きになったりするという本質を、知らず知らずの間に引き出すことが出来るという事なのです。

いけばなの「型」も小手先の知識や技術を学ぶためにあるのではない

いけばなで学ぶ「型」も全く同じことが言えるのです。
未熟な間は「型」と聞くと、”初心者のモノ” とか ”堅苦しい” とか ”古臭い” と感じがちです。しかし経験を積み自分がレベルアップしてゆくと、その「型」で学んだことを生かすことが出来るようになってきます。そしてもう一段のレベルアップをすることが出来れば、「型」を通じて物事の本質や真理に気づくことが出来るようになるのです。

これこそが「いけばな」の持つ本質であり魅力であり、いけばなからの学びがそのままビジネスにも通用するという事に他ならないのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。