お寺が大晦日の「除夜の鐘」を中止する事態になっているのを見聞きして思う事

こんにちは。
移動の高速バスの中でブログを書いている、いけばなの光風流家元 内藤正風です。

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今年は何か異様な事が目に付く年末になりました。
最近では、流行語大賞のTOP10に「保育園落ちた日本死ね」という言葉が入っていて、色々なところで賛否両論があり話題になっていましたね。
「保育園落ちた日本死ね」の言葉の真意とか意味とかは別にして「死ね」と言う文言が入っている様な言葉が選ばれると言う事や、そしてこの賞を国会議員が嬉しそうに受けとっているという事に、私自身はとても大きな違和感を感じました。

だって、そもそも「死ね」って言葉自体、理由やその使った趣旨は何であろうと良い言葉だとは私は思うことができませんし、そういう文言が使われた言葉を選んだという事と、国会議員と言う立場の方が「保育園落ちた日本死ね」と言われているのに、嬉しそうに受賞して喜んでいるという事にも、私は大きな違和感しか感じる事が出来ませんでした。

お寺が大晦日の「除夜の鐘」を中止する事態に思う事

またその他には、近隣住民の苦情を受けお寺が大晦日の深夜の「除夜の鐘」を中止したり、お昼間に時間を変更すると言う事が続出しているという話題にも大きな違和感を感じています。

だってこの時間変更や中止になっている苦情があまりにも程度が低いと言うか意味不明な理由にしか私は感じる事が出来ないのです。
鐘の音がやかましいとか、宗教上の理由で聞きたくない人もいるとか、伝統だから続けるというのはどうだろうかとか、伝統だからといって仏教だけが優遇されるのはおかしいとか、除夜の鐘を聞きたくない人達の意見を除夜の鐘は普通だと思っている多くの人達が無視するのは横暴だとか。。。。。

しかし私はこのいずれもが、ただの言いがかりと言うか言いがかりにもならないただの戯言以下にしか聞こえないのです。

だってお寺は古くからそこに建っていて大半のお家はお寺の創建よりも後から出来ているんでしょ。って事は除夜の鐘がそこで鳴る事は解っているんだから、その環境がイヤなら最初からその場所に居を構えなければ良いだけの事ですよね。
宗教上の理由って言っている人は、雅楽が鳴ったら止めろ!コーランが聞こえたら止めろ!!って言うんですか?
伝統だから続けるのはどうかって、じゃあ相撲は止めろ歌舞伎もやめろって伝統を全部やめていったら、日本はすっからかんの国になりますよ。
仏教だから優遇されるのはおかしいって、そもそも何も優遇されていないのに優遇されているって思う事自体がおかしいでしょうし、じゃ仏教の除夜の鐘だけ規制したら、それって逆に今度は宗教弾圧につながりかねない行為じゃないのかなとも思います。
多数派が少数派を抑え込むのが横暴だと言うんでしたら、少数派が多数派を抑え込むのも横暴ですよね(笑)(笑)(笑)

苦情やクレームを言うたもん勝ちと言う風潮

何か最近は、苦情が出たら止めるという風潮が蔓延してきている様に思います。

何か事をしたりすれば必ず賛成派と反対派が出てきます。
そんな中で賛成している人の大半は、わざわざ声に出して「賛成」とか「いいね」とかって言ったりしないです。
逆に反対する人は声を出す人が多かったり、声を大にして言われる方が多かったりします。

反対をされる人が有るから止めるなんて、単なる責任逃れにしか見えない場合もあります。

そんな事をしているから、お餅つきは衛生的でないから取りやめようとか、盆踊りは音がうるさいから取りやめようとかそういう発想にしか結びついていかないのだと思います。

そういう発想の先には、花火は打上げの音や人の声がやかましいから中止、学校は子供の声がやかましいから廃止、道路は車の音がやかましいから通行禁止、なんて全てを止めてゆく結論しか見えてこないですよね。

こういう事ってパッと見は民主的で先進的なように感じている方もあるでしょうが、確実に負のサイクルに入って、最後には自分自身の首を絞める結果にしかならないと私は思うのです。

お互いに相手の幸せと笑顔を尊重する、そんな未来が開ける日本になって欲しいなあと感じた年末でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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