「いけばな」とは人と競争するものではなく、自分の楽しみを広げるとともに自分磨きをするためのものです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今日の午前中は、教室のお稽古、そして午後からは来年のカレンダーに掲載する作品の写真撮影の立ち合いに行ってきました。

そんな中で作品の生け込みをなさっておられる姿を拝見しながら思った、「いけばなとは、人と競うものではなく個性を伸ばすものだよなぁ」という事について書きたいと思います。

いけばなの作品は、生けた人の個性が前面に出ます

午前中に開催した教室では、同じ材料を使ってそれぞれに自分のイメージを生けて頂きました。カレンダーの作品は与えられたテーマに基づいて自分なりに構想された作品に仕上げられています。そしてこれらの作品すべてが、それぞれの方の個性だという事が出来ます。

いけばなと聞くと「決まり」とか「型」があって、誰が生けても同じ形に出来上がる様に思っておられる方があります。がしかし、少なくとも光風流の「いけばな」は、全く違います。
光風流のいけばなは、同じ材料を使って同じ形に作品を生けたとしても、その作品には一人一人の個性が必ず現れるので、出来上がりはマルっきり違うものが完成するようになるのです。

人と競争するのではなく、自分の楽しみを広げると共に自分磨きをする

お花を生けるというと、私は上手に生けられないからとか、決まりを知らないからというように言われる方がおられますが、いけばなの一番大切な事は「お花のある生活を楽しむ」ということです。
綺麗に生けたから偉いんではありません。決まりの通りに生けたから素晴らしいのでもありません。日常の中にお花が存在している事で生まれる、幸せな物語を楽しむって事が何よりも大切なのです。

例えば飲んで空になったワインの空きビンがあるとします。この空き瓶に1輪のお花を挿してリビングにおいていたら、話のネタになりますよね「これどうしたの?」とか「可愛い」とか「カッコいい」とか。
話題の種が出来て会話が生まれると言うことは、家族にとっては幸せな時間がそこに生まれているという事に外なりません。

いけばなの一番大切な事は、人と比べる事には全く存在していません。人と競争するのではなく、自分の楽しみを広げる工夫をしたり自分磨きをすることにこそ、いけばなの一番大切な事が有ると言えるのです。
人と比べて勝ち負けだけで判断をしても、何も生まれません。人と競争する事に終始しても、自分がしんどいだけです。だって世界に貴方という存在は1人しかいないのですから。
貴方だけのいけばな作品、あなただけの魅力、あなただけの世界観、あなただけの特徴、そこにこそ他にはない魅力が存在しているのです。

競争を考えるのではなく、自分の楽しみを広げる事に意識をした方が、楽しくなるし幸せを感じる事が出来るようになる。自分の思うイメージが形になる様にお花と向き合われている姿を拝見しながら、そんな事を思う機会になりました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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