お花を飾るって特別な事ではなく、服にカジュアルからフォーマルがある様に、「いけばな」にもカジュアルからフォーマルがあり、その楽しみ方は幅広いのです
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ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
秋のいけばな展のシーズン真っただ中で、現在は神戸の原田の森ギャラリーにおいて「こうべ芸文美術展」が明日まで開催されており、来週は火曜日から大阪・関西万博の会場において「日本いけばな芸術特別企画 in 大阪・関西万博」が予定されています。
ちなみに「こうべ芸文美術展」に私が作品を展示していた前期は木曜日に終わり、昨日から始まっている後期には、愚息の内藤貴風が作品を出展しております。そして「日本いけばな芸術特別企画 in 大阪・関西万博」には、私が作品を出展いたします。
そんな中で、ふと思ったのです。
お花にはフォーマルなものからカジュアルなものまであり、日常は気軽にカジュアルなお花を楽しんでいただけたら良いと。今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。
お花を生けるって、特別な事だと思われていませんか
さて、突然ですが、お花を生けるって特別な事だと思われていませんか。
いけばな展や、お客様がお越しになられるとき、特別なイベントがあるとき、お花ってそんな時に生けて飾るものだって考えておられませんか。
実は全くそんな事は無いのです。
お花だと分かりにくいので日常の中で例えると、たとえば皆さんが毎日食べられている食事で考えてみましょう。
お食事には、手軽に食べる事が出来るファーストフードから、ホテルなどで頂くディナーまでありますよね。
あるいは毎日着ている服も同じで、普段着から正装までありますよね。
お家で正式なフランス料理や懐石料理を毎日食べますか?お家でくつろぐときにタキシードやドレスを着ていますか?普段は家庭料理であったり、GパンにTシャツだったりだと思います。
これお花も全く同じことが言えるのです。
いけばなには、普段気軽に生けるカジュアルなお花から、ここぞって時に生けるフォーマルなお花まであります。
特別な何かがあるからお花を飾るのではないのです。食器棚にあるグラスに一輪の花を生けてテーブルに飾る。シンプルなお皿に水を張ってお花を浮かべる。飲んだお酒のボトルにお花を挿してみる。コンビニコーヒーの空きコップに花を挿してみる。お菓子の個別の器に挿してみる。
こんな風に、普段は肩ひじ張らずに気軽にお花のある生活を楽しんだらいいのです。いけばな展で展示されているようなお花を生けようと思ったりしなくていいんです。
ちなみに「ここぞ!」って時に自分で生けることが出来ないのならば、出来る人に頼んだらいいじゃないですか。無理に自分でしなくてもいいし、興味があるなら誰かに教えてもらったり挑戦してみるのも楽しいです。
カジュアルな楽しみ方も、フォーマルなお花も、すべてが「いけばな」なんです。
お花を生けて楽しむ。お花のある空間を楽しむ。お花を話題にして会話を楽しむ。こんなに素敵な「贅(ぜい)」を、こんなに手軽に楽しむ事が出来るものは、いけばなの他には無いと思います。
高価な家具に囲まれた贅沢ではなく、自分やご家族の心のゆとりや満足と言う贅沢が、これからの時代にあるべき豊かさだと思います。
上手に生けるとか綺麗に生けるなんて考える必要はないです。花一輪を挿すだけでいいのです。とっても手軽だと思います。花のある空間、とてもやわらかで落ち着きます。
綺麗に生けようと思ったり、いけばな展の作品の様に生けようと思わず、まずはお花が一輪ある生活を楽しんでいただけたらいいなぁと思います。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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