「冬至」は太陽や地球が生まれ変わる日に当たります。だからこそ私達も次の節目に向かって新たなスタートを切るにふさわしい日なのです

こんばんは。内藤正風です。

明日12月22日は「冬至」です。冬至は1年の中で一番お昼間が短い日ですね。
冬至にカボチャを食べたら中風にならないとか、ゆず湯に入ったら風邪をひかないとか、古くよりの言い伝えもありますので、お家でカボチャ料理を食べられる方や柚子湯に入られる方も多いのではないかと思います。

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「冬至」には日本人ならではの考え方がその根底にあるのです

「冬至」が1年の中で一番お昼間の時間が短いということは太陽が出ている時間が短いという事で、すなわち太陽の影響力が一年中で一番弱くなる日という事になります。すなわち”陰”の力が一番大きくなる日という事です。
しかし翌日からは毎日少しずつ昼間の時間が長くなっていきますので、太陽が生まれ変わる日として昔は考えられていました。

日本人は「生まれ変わり」という事をとても大切に考えてきています。
例えば伊勢神宮の式年遷宮なども20年に1度ずつお社を新しくするというのも一種の生まれ変わりです。
お正月も年神様が変わり1年の節目を超えるという事により、新しく生まれ変わっているという事が出来るでしょう。
身近なところでは、毎日夜寝るという行為も、翌朝におきる事により生まれ変わっているという風にとらえる事が出来ます。
江戸っ子は宵越しの金は持たない。。なんていうのも、もしかしたら前日と翌日は生まれ変わって別のモノという思考から来ているのかもしれませんね。

生まれ変わりには永続性の力が宿る

なぜ日本人は生まれ変わりという事をこんなにも大切にしてきているのかというと、生まれ変わることによって未来に向けて永続性を得る事が出来る様になると考えるからです。

例えば先に書いた式年遷宮なども、20年という期間ごとにお社を建て替える事によって、建築のために必要な技術を継承していくことの役割と、祭祀の作法?手法?なども継承してゆく事が出来る様になります。
1年を前の年と新しい年という風に別のモノと考える事によって、前の年に悪い事が度々起こっていたとしても心機一転気持ちを切り替えて臨むことが出来る様になりますし、逆に良い事が続いていてもその事にうぬぼれるのではなく新しい年に気持ちを切り替えて臨むことが出来る様になります。
親から子、そして孫につながってゆくという事も、人には寿命が必ずありますが世代を重ねてゆく事によって永続を手に入れる事が出来るという事に他なりません。

生まれ変わりは急には起こりません

とはいえ、冬至に太陽が生まれ変わるとはいえ、急に別物になるわけではありません。
冬至に「陰」が極まり「陽」の気が生まれたといっても、まだまだ生まれたての赤ちゃん状態です。真夏のような日差しが急に現れるわけではなく、これから時間をかけて気付かないほど少しずつ少しずつ変わってゆくのです。

いうなれば、冷たいお水を沸騰させる作業と同じです。
お水は零度の状態では凍っています。
この氷をお鍋に入れて火にかけても、すぐには温かくはならないですよね。
火にかけると氷が解けてきます。けれど溶けて水になっても冷たい水の状態ですよね。
これがだんだんと温度が上がってきて、温かくなって沸きはじめると沸騰するまで早いですよね。

地球に冬至で「陽」の気が芽生えたとはいえ、とても小さくまだまだ「陰」の気が大勢を占めています。
なのでこれからまだ気温は下がり続けます。一度勢いの付いたものは急には変わらない(変われない)という事です。
しかしその「陰」の気の中では着実に「陽」の気が大きく育っていっています。すなわち今日から約2か月ほどの間は、気温が上昇し温かくなるための準備期間になるのです。

我々にとっても「生まれ変わりの冬至」に

私達も冬至をきっかけにして、次の節目に向かって新しい動きを始めるなんてすばらしい事だと思います。
最初は小さな小さなアクションと呼べないほどの動きで良いと思います。しかしその小さな小さな動きを毎日毎日積み重ねてゆけば、次の節目。。。すなわち来年の節分の頃には、何かしら目に見えるレベルのものになっていると思います。

太陽や地球だけではなく、我々人間にとっても生まれ変わりの冬至にしてみてはいかがでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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