コロナ以降、”個性” とか ”自分らしさ” という事がよく言われますが、”らしさ” とは「人と違う事をする」という事ではありません

こんにちは、内藤正風です。

先日訪問した宮古島で、こんな景色を見ながら思った事があります。

スキューバダイビングのタンクを積んだ軽トラ


それは、”らしさ” とは、人と違う事をするという事ではないんだよなぁってことです

”個の時代”とか ”自分らしさ” とよく目や耳にしますが。。。

以前から耳や目にしていますが、コロナ禍以降とくに ”個の時代”とか ”自分らしさ” と言われるようになったと思います。

一昔前には、みんな同じことをするのが素晴らしい事だとされた時代がありました。私の子供のころの学校教育なんてその最たるものでしたから、私の様に自分で考えて行動するように親から教わって育った子供なんて、幼稚園から小学校、そして中学校と常に問題児でした。(笑)
高校はそういう自主性を大切にする校風の学校でしたし、大学はそもそもほかの人と同じとか違うとかなんて関係ないですから、いわれのない問題児扱いはされなかったですけれどね。

しかし近年は「個」あるいは「個性」を大切にしようという考え方になっています。
けれど本当の意味で「個性」とか「らしさ」と言う事について、理解し実行できている人はとても少ないように思うのです。

そもそも「個性」や「らしさ」と言うものは、人と違うかどうかと言う事ではなく、自分の考え方や価値観の中核をなす部分から自然発生し表に現れたものが「個性」や「らしさ」に他ならないと私は思います。
なので「個性」や「らしさ」=「他の人と違う事」と考えている時点で、それは他の人との比較でしかなく、自己の中核から発せられた ”その人ならでは” のものとは全く違うのです。

とにかく人と違う事をしようとする人

「個性」や「らしさ」=「他の人と違う事」と思っている人は、とにかく人と違うようにしようしてみたり、取ってつけたように目を引く行動をしてみたりと、上辺ばかりに意識が行ってしまっている様に思います。
もうこういう人はペランペランです。全く中身がありません。(笑)
だって、自分の内面から発生したものではなく、他人との比較で違う事をしているのですから。。。

なので中身の無さがすぐにバレてしまい周りから相手にされなくなってしまいますし、人から何か言われただけでスグに “へなへな~” ってなってしまうのでそんな行動は当然長続きもしません。

いけばなでいうと、とにかく人と違う作品を作ろうとして目先の変化だけを追いかけている状態ですね。そんな人は「とにかく変わっていればよい」みたいな考え方をしていますので、中身が無いのですぐに行き詰まってしまいます。

とにかく人のマネをしようとする人

人と違う事をしている人を真似るパターンも多いですね。例を挙げれば、斜に構えてアウトローを気取っている俄かアウトローです。

こういう人の気持ちが分からないではないです。
だって、もともと日本には「婆娑羅(ばさら)」や「傾奇者(かぶきもの)」という考え方や行動が古来よりあって、もてはやされる土壌がありますからね。

ちなみに「婆娑羅」や「傾奇者」っていうのは、日本特有の「粋」や「数寄」というものをモットもっと究極にとんがらせて極端にしたもので、見た目は異形・異様な風体をしていますが、仲間同士の結束と信義を重んじ、自分の信義の為ならば命を惜しまない気概と生き方の美学に基づいたものなのです。

なのでここで間違えてはいけないのは、自分の行なう事には絶対的な責任を持っているという事と、自分の軸足はしっかりと保守本流の中に置いているという事です。
だからこそ、もう片方の足で自由に動き回る事が出来るし、少々おかしなことをしていても道を踏み外してしまうことは無いのです。

いけばなでいうならば、自由に変化応用を楽しんでいる人は、しっかりとした基礎力を持っているという事と同じだという事が出来ます。

自分をしっかりと見つめることが「個性」や「らしさ」の第一歩

どうしても人間は、他の人がしている事が格好よく見えたり羨ましく思えたりしてしまいます。しかしそんなところをスタート地点にして、「個性」や「らしさ」なんて絶対に生まれないと思います。

人と違う事をしようとするのではなく、自分の人生や価値観と言うような内面を表現する事こそが、「個性」や「らしさ」だと私は思いますし、言葉を変えれば「自分らしさ」とか「その場所らしさ」と言う事が個性なのだと思います。

まずは自分の軸足をしっかりと位置を決め、そして安定させることが「個性」や「らしさ」を磨く第一歩ではないでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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