明日から始まる「光風流西播支部いけばな展」の生け込み指導に伺って思った、人と違うという事は「価値」だということ

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今日は兵庫県姫路市にある「光洋製瓦」様(兵庫県姫路市船津町5241-5)において、明日明後日の2日間開催される「光風流西播支部いけばな展」の生け込み指導に伺ってきました。

いけばな展の会場としてお借りさせていただいている「光洋製瓦」様は、喫茶店や古民家の宿泊施設などもなさっておられ、喫茶店はオシャレ空間なんですがとてもアットホームな空気感で、いけばな展にお越しになられた皆様には是非とも立ち寄っていただきたいと思う、内藤のオススメです。

会場内に並ぶ作品に、同じものは2つとしてない

会場内に展示してある作品は、1つ1つ全てが違います。仮に使われている器が同じであっても、使われている材料や生けられている型が違います。同じ材料が使われていても、器が違ったり扱い方が違ったりしています。
なぜそんなに全ての作品が違うのかというと、その一番大きな原因に「個性」があります。
住んでいる地域が違えば考え方や嗜好に違いがおのずと生まれてきます。世代が違えば好みも変わってきます。経験の差による違いもあるでしょう。なので同じ先生のもとで学ばれている生徒さんでも、一人一人すべて違っていて当然なのです。

いけばなの作品でいうとわかりにくいかもしれませんので、兄弟姉妹で考えて頂くとわかりやすいと思うのです。同じ両親から生まれてきて同じ親に育てられている兄弟姉妹であっても、一人一人全く違いますよね。
それと全く同じことだと思っていただければよいのです。

全く同じ人なんてこの世に存在しない

これはすなわち個性や環境による違いなのです。光風流という ”核” の部分は同じであっても、材料を手に取った時の活かし方が1人ひとり違います。
なぜ1人ずつそんなに違ってくるのか。。。それは、歩んできた人生が違うから。環境が違うから。考え方が違うから。価値観が違うから。好みが違うから。

私達はロボットではありません。考え方や判断まで全て他の人と同じようになることなどありえません。だって人間だから。
同じ親から生まれ、同じ親に育てられ、同じものを食して大きくなった兄弟であっても、違いが出てきます。
なんなら一卵性の双子であっても違いがあります。

人と違うということは「個性」なんです。だって顔も全く同じ人はいないですよね。よく似た人はいてもどこかが必ず違います。みんな同じ顔だったら困りますよね。そう、なので違うという事は「価値」なのです。
人と違うからこそ、そこが「個性」になるのです。他の人には無いからこそ、その個性が「魅力」になるのです。

他の人と同じという事から「価値」は生まれない

日本人はとかく、他の人と同じような事をする事を尊ぶ傾向が強いです。しかしこれって戦後の教育の間違った側面だと私は思っています。
戦後の高度成長時代やバブルの時代に、会社の言うとおりに働くイエスマンを育てる教育のまさしく遺産だと思います。だって無能な経営者からすると、同じように考え動く人達って扱いやすいですもん。。。
しかしそこからは、魅力的なものは何も生まれてこないと思うのです。

「個性」は「魅力」です。そして「個性」は「価値」なのです。他の人と違うからこそ、そこが「魅力」になるし「価値」になるのです。これは日本の神話を読めばよく解る事だと思います。だって神話では全ての人に個性があり、その個性を生かして国造りがなされているのですから。

自分と全く同じ人しか存在していなかったら「うわ~あの人面白いなぁ」なんて感じることはないですし、相手に魅力なんて感じないですよね。
人と違う事をして嫌われるのを気にされる方もありますが、だからこそ好きと言ってくれる方も出てくるのです。

いけばなの作品の様に、人間も1人1人が違っていて当たり前ですし、人と違うからこそ、そこに魅力を感じる事が出来るんだと思います。
そんな事を生け込み指導をさせて頂きながら思ったので、今日のブログネタにしてみました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。