ピラミッド型で捉えるから「基本」は初歩のものと思ってしまうのです。同心円型で捉えると「基本」は物事の中核だと解るのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は光風流本部いけばな教室にて、一日中お稽古三昧でした。
そんな中、生徒さんとお話をしていて、基本はレベルが低いものと理解されている方がおられたので、そうではないというお話をさせて頂いたので、今日のブログで取り上げたいと思います。

基本は、初心者がお稽古するからレベルが低いものだという理解は、大きく間違っている

世の多くの方が、様々な物事を考えるときに「ピラミッド型」に思考される傾向が強い様に私は感じています。そしてそれがレベルやステップアップに関する事になると、尚更その傾向が強く現れます。

しかしそういう思考は、少なくとも技術を身につけるという分野に関しては、間違っていると言わざるを得ないと私は感じています。

ではどの様に考えるべきなのかというと、「同心円型」で思考し、その真ん中の核が「基本」だというイメージです。

「基本」とは〝核〟であり〝指針〟である

「いけばな」って聞くと、決められた形にお花を生けるものだと思っておられる方が多いです。これは「型」すなわち「基本」というものがいけばなにはあるので、そういう解釈になってしまう方が多いのだろうと思います。

確かにいけばなには「基本」というものが存在しています。そんな中、間違えて頂きたくないのは、「基本」=行動や思考を縛るものではなく、「基本」とは核であり指針であると言う事です

「基本」はボールで例えるならば「核」です。核がしっかりとしているからその周りに肉付きを自由にする事が出来るのです。
小さな核に少し肉をつけたらゴルフボールみたいになります。もっと核を大きく育てて、そこに肉付きをすれば野球のボールの様にもなります。あるいはその人の好みによって、ラグビーボールのような形にすることもできます。
すなわち、十人いれば十通りの核(習得した基本)が存在し、その核に合わせてそれぞれの肉付きがなされたボールが出来上がるという事なのです。

基本がしっかりしているほど発想力や対応力が高くなる

基本とは「根幹」です。根幹がしっかりしていればしているほど、根幹が大きければ大きいほど、色々なことが出来る大元になるという事なのです
基本をあまり習得されていない方の核、すなわち根幹となるものは小さいので、そこから生み出すことが出来るものもおのずと限られてきます。
逆に基本をしっかりとマスターされている方はしっかりとした核を持っているので、様々な発想力があったり、対応力が高かったりするという事なのです。
すなわち可能性がそれだけ広くなるし楽しむ事が出来ると言うことです。

自転車で例を挙げるならば、自転車に乗る基本がしっかりとしている人ほど、より高度なバランス感覚が身についているので、色んな乗り方が可能になるという事です。
片手離したり、両手離したり、ジャンプしたり、前輪を浮かすウイリーしたり。基本がしっかりしていればいるほど、より様々なことが出来る様になるのです。

上達に一足飛びはありません。しかし最短距離はあります。
私の教室で学ぶ皆さんには最短距離を進んで、楽しみを無限に広げてもらえるようになっていただけたら嬉しいなあと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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