「基本」とは低レベルな存在ではなく、自分らしさを表現するための「核」になる存在です

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

先日、光風流の先生の教室で学ばれている生徒さんと「いけばな」の事についてお話しする機会があり、その中で「基本とは外郭ではなく核であり、この理解を間違えてはいけない」ということについてお話をさせていただいたので、今日はその事についてブログで取り上げたいと思います。

「型」の理解を間違えている方が、とても多いです

いけばなには「型」というものがあります。と、こういう話をすると多くの皆さんが、堅苦しいとか窮屈と言うイメージを持たれるようですが、実は全く違うということをご存じでしょうか。
なぜこのようなイメージを持たれる方が多いのかを考えてみましたが、多くの方が「型」=「行動を制限するもの」と理解なさっているのだろうなぁと私は感じています。

では「型」とは何かというと、自分の行動の「核」になるものに外ならず、これから解説をしてゆきたいと思います。

基本がしっかりしているから超人的な事が出来る

「型」とは言い換えるならば「基本」です。「基本」と言うのは一つの事を行う上で必要な土台となるものです。「基本」について ”いけばな” で考えると堅苦しいとか窮屈というイメージが先行しており分かり難いでしょうから、スキーやスノーボードでこの「基本」について考えてみたいと思います。

スキーやスノーボードには、宙返りをしたり前後を反対に滑ったりとアクロバティックな事をする種目があります。たぶん皆さんも動画とかテレビとかで一度は目にされたことがあるのではないかと思います。

この競技をされる人って、普通に滑ったらムッチャうまいです。コースから外れることなくチャンと滑ったり、指定されたところでちゃんと止まったり、他の人とぶつかるような事もなく安全に曲がる事が出来ます。ってか、普通の人よりも基本的な操作は格段にうまいです。
これがスキーやスノーボードでいうと「基本」にあたるのです。

人よりも格段に「基本」を習得していて滑るのが上手だからこそ、その上に練習する事でジャンプしたり宙返りをする事が出来たりするんです。
スキーやスノーボードで滑るのが精いっぱいだったり右や左に曲がる事が出来ない人が、宙返りやジャンプしたりなんて絶対に出来ません。

基本は初心者のものではありません

私が見ている中で、基本を軽んじたり疎かにする人には共通している事が1つあります。それは「基本=初心者のもの」と思っているという事です。
基本は初心者のために存在しているのではありません。ではなぜ基本を一番最初に学ぶのかというと、一番大切なものであり、初歩の段階から上級者まですべての段階で必要になる「核」となるものだから、一番最初の段階から学んでいただくようになっているという事なのです。

なので一番最初に学ぶ基本は、初心者が理解できるようにした基本だという事です。したがって同じ基本であっても、中級者には中級者の基本の理解と習得度があり、上級者には上級者の基本の理解と習得度があるという事なのです。
つまり基本には浅い理解から始まり、自分の成長に応じてより深くそしてより広く理解してゆくものだという事です。要するに基本の理解度や習得度が違うという事なのです。

「基本」は自分の魅力を発揮し、自分らしさを表現する土台なのです

お花を生けるという行為でも同じです。「基本」と言うのは「核」です。応用や変化というのは「創意工夫」と言い換えることが出来、すなわち創意工夫とは、この核の周りにある「肉付き」に他ならないのです。

基本を深く理解して「核」が大きくシッカリしていればいるほど、お花を使って出来る表現の幅や可能性が広がるのです。
色々な場所で、色々な材料にあわせて、色々な器を使って、その機会に相応しいお花を生ける事が出来る様になるという事です。つまりそれは
自分のしたいと思ったことや、イメージを形にする事が自由自在に出来ると言う事であり、すなわちそれは楽しみが広がるという事に他ならず、自分らしさを表現するためには必要不可欠な存在なのです。

いけばなの醍醐味、それは自分なりの創意工夫を加えた作品を作り上げることにあります。何も知らないのに自分なりの創意工夫をしようと思っても、魅力的なものを生み出すことは不可能です。だってベースになる知識や技術なしに何とかなったりはしないのは、火を見るよりも明らかだと思います。

「基本」を学び、その基本をもとにして創意工夫を加えて変化応用をする。基本は制限ではなく、「核」となるものなのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。