松茸を食べながら思った「時代が変われば価値も変わる」ということ。

こんばんは。
今日は久しぶりに上着ネクタイ着用で講習会を行ったら、暑くて暑くて我慢できなくなって途中で上着を脱いだ、いけばなの光風流家元 内藤正風です。

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この時には頑張って上着を着ていたのですが、直後に限界がやってきました(笑)

我が家に松茸様がやってきた!!

昨夜は松茸を晩御飯に頂きました。

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昨夜食べたのは、国内産のムッチャ大きな一品です。
マジ美味しかったです。
焼松茸と松茸ご飯にして食べつくしました!!!

松茸って高級品です。
国内産なんてもってのほか、韓国産や中国産でもなかなか手が出ないっていうレベルの高級品ですよね。

しかしこの松茸が、クズの扱いをされていた時代があったってご存知ですか。

「え~また松茸ぇぇ~~。。。。。ちっ!」って時代があった

私は子どもの頃、松茸が大嫌いでした。
ただこの嫌いっていうのは、松茸が嫌いと言う事ではありませんでした。

理由は、秋になると毎日毎食に松茸を食べないといけなかった。
っていうのと、
椎茸のようにしっかりとした味が無いので、食べごたえが無かった。
っていうのが、大きな理由です。

私が幼稚園から中学生くらいのころには、まだ日本で松茸がイッパイ採れていました。
で、このシーズンになると流派の幹部の先生方やお稽古に来られている皆さんが、松茸を持ってきてくださるのです。
それも大きなかごに山盛り。。。。。(笑)

今から考えると夢のようですが、その当時は山の方にお住いの先生方にとっては、裏の山でいくらでも採れるって感覚です。
なので旬の物なのでどうぞーーって手土産にお持ちくださるのですが、大きな籠ですから松茸が15本や20本は入っているんです。
そしてお一人だけが下さるのではなく、何十人もの方が下さるので、我が家の台所はこのシーズンもう松茸まみれなんです。
おまけにこの時期ってシバハリっていう網茸もシーズンなので、それも一緒に届くんです。。。

松茸って日持ちしません。
なのでこのシーズンは毎日毎食松茸が必ず出てきます。
松茸ご飯、焼松茸なんてたぐいではなく、味噌汁、すき焼き、野菜の煮込み、モヤシ炒め、肉じゃが、焼き魚の付け合せ、、、、、、もうとにかく何でもかんでも全ての料理に松茸がトッピングされています。
朝ご飯、昼ごはん、晩御飯、全てがそうです。
月曜から日曜日まで毎日毎食に松茸インです。
そしてこんな状態が毎年約1か月程度これが続きます。。。。。

今から考えたらドえらい事なんですが、当時の子どもだった私は松茸の風味もなにもわからずに「え~また松茸ぇぇ~~。。。。。ちっ!」って言っていました。(スミマセン(^^;)

時代が変われば価値も変わる

その当時の世の中では、松茸って畑で採れる大根とか白菜とかと同じ感覚だったのだと思います。なんだったらその辺の道端で生(な)っている柿とかと同じ感覚だったのかもしれません。

しかし今や国産の大きな松茸だと、100グラムが1万円くらいするのは珍しくないですし、そう度々口にする機会もないですよね。

そう考えるとモノの価値って不変ではなく、その時代時代の世の中の移り変りによってドンドン変わってゆくんだなぁって改めて感じます。

今現在、みんなが価値がある、高価だ!珍しい!!と思っている食べ物も、例えば養殖の技術が確立されるだけで低価格で大量に手に入るようになっちゃいます。
いけばなで使うお花も、新品種が出た当初は品数も少ないので手に入りにくいうえに仮に手に入っても価格が高いですが、生産が各地で行われるようになり品物がある程度安定的に出回るようになると、一気に値段は下がってしまいます。

世の中にあるモノの価値って、人によって価値の感じ方が違いますし、時代によってもその価値は移り変わります。
そう考えるとモノの価値なんてものには「不変」というものは存在しないんだろうな~と改めて考える機会になった松茸ご飯と焼松茸でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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