「自由=良いこと」と言い切ることは出来ません。なぜなら、”制約” があるからこそ「新しい知恵や発想が生まれる機会」になるのですから

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は朝から夕刻まで、光風流本部いけばな教室において講習会を開催しています。

そんな講習会におきまして、2週間後に開催する「光風流いけばな展」のことについてお話をさせていただいたのですが、今日のブログでは、その中では話さなかったけれどとても大切なことについて、書きたいと思います。

いけばな展は、新しい挑戦や取り組みを「実験する機会」と私は考えています

私は「いけばな展」は、単に作品を作って展示するという発表の機会というだけではなく、新しいアイデアや新しい挑戦を行なう機会だと考えています。
故、本田宗一郎さんが「レースは走る実験室」と仰られていた言葉は、いけばなにおいてもまさにその通りだと私は思っています。

とはいえ、いけばな展として作品展示をしているのですから、展示に値するレベルにまで作品を昇華させる努力を怠ってはならないのは言うまでもありません。
レースでいうならば、どんなに挑戦的な取組みであっても、ドライバーの安全性を担保し一定以上の成績を残せる状態でなければ誰も見向きもしてくれませんよね。なのでいけばなにおいてこれは絶対的な必須条件です。
その上でどれだけ色々な挑戦を行い、データをとり、試行と改善を繰り返すことができるのかが大切だと思っています

世の中はどんどん移り変わってゆくのですから、今を維持しようと考える事は、時代から取り残されてしまうということに他なりません

世の中は時代が移り変り、人の価値観もどんどん変わり、住宅環境もどんどん移り変わってゆきます。
そんな中で未来に向けて挑戦したり、何かを生み出そうとする姿勢を無くしたら、その瞬間から衰微が始まり自滅への道をまっしぐらに突き進んでゆくだけになるんです。

現在、毎年開催している光風流いけばな展は、兵庫県加西市にあるイオンモール加西北条の専門店街の通路を会場にして行なっています。

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写真の様に、一般的にいけばな展を開催しようとは思わない会場です。では何故そんな場所を会場にいけばな展を開催しているのかというと、「そういう会場」だからこそなのです。
言い方を変えると、「一般的に考えられるような作品展示の方法がとれないからこそ行なっている」という事です。

つまり、普通に作品展示が出来ないということは、何か方法を試行錯誤したり、新しい挑戦を行う事が出来る土壌がそこにはいっぱいあるという事です。

自由は不自由、制約があるからこそ新しい知恵や発想が生まれる

自由と聞くと、「何でも出来て良いよねー」と考えがちですが、私はこれは逆だと思っています。制約があるからこそ、その中で楽しみを見つけ出したり試行錯誤をしようと思うのです。
例えば高校で頭髪の規則や制服の規則があるから、その中でスカートを短くしてみようとか学ランを長くしてみようとか、ズボンを太くしてみようとか考えるわけですよね。
そしてこの長さならOKかな?とかって挑戦してみる楽しさが生まれてくるんです。
制服自由、頭髪自由ってなっていたら、こういう知恵を絞ったり挑戦したりする必要すら無くなっちゃうのですから、何も生まれてこないですし楽しさすら感じることは無くなっちゃうのです。

いけばなの歴史を見てもおなじです。
一般のお家に「床」が普及してきたことで「生花(せいか)」と呼ばれるお花の生け方の様式が誕生し普及しました。
明治に入って生活が洋風化する事で「盛花(もりばな)」という新しい様式が誕生し普及しました。
昭和の戦中戦後に、いけばな作品が床の間をはじめとするお家の中から、もっと色んな環境で展示されるようになり「前衛いけばな」という考え方が誕生し、そのおかげで鉄やコンクリート、プラスチックなど植物以外のありとあらゆる素材がいけばなの材料として扱われるようになりました。
これ全て、今までに無かった環境がそこに生まれ、その事に起因した挑戦や模索があったからこそ新しいものが生まれたのであり、言うならば挑戦や模索があるからこそ、新しいものが生まれる可能性と言うか、その余地がそこに広がると言う事であるのです。

挑戦するからこそ、ウキウキするしワクワクできるのです

今回の光風流いけばな展でも、新しい取り組みや挑戦を色々と行います。
一例を挙げるならば、今回の光風流いけばな展は全ての作品が「間口5m」の超大作ばかりになります。こんな大きさの作品、いけばな展とかでなければ中々目にする事なんてできません。
他にも、いけばな展の運営面やシステムについても新しい取り組みを行なっていたり、これまでになかった方法や昨年行なったものを改善して行なっているものもあります。

挑戦するっていうことは、自分の新しい可能性を見出す作業にほかならず、ウキウキしますしワクワクしてきます。
そして挑戦するということは、想定したようにうまくいくこともあれば、思ったような結果が出ない場合もあります。しかしこれは、挑戦しているのですから当然の事です。
上手くいったかいかなかったかは、単なる結果でしかありません。なのでそんな結果だけで一喜一憂していても仕方ないのです。
それよりもその成功や失敗を通じてどんな体験をする事が出来たか、その経験でどんな学びを得たりノウハウとして蓄積が出来たかと言うことの方が何倍も重要な事なのです。

「失敗をしていない」と「失敗すらしていない」は全く違う事

失敗していないということを善しとする人がいますが、これは私から言わせると「失敗すらしていない」って事だと思うのです。要するに何も挑戦したりしていないって事なのですから。
確かに「失敗と成功とどちらが良いですか?」と言う聞き方をされれば、成功した方が良いですねって話しになっちゃうかと思います。しかしそんな次元の話ではないのです。

どんどん新しいチャレンジや模索をして、時代の可能性を広げる。
ここにこそ50年後の100年後の未来が広がるのだと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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