いけばなのお稽古でノートを取る意味 | 「記録」ではなく「学び」を自分のものにする
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ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
いけばなのお稽古をしていると、先生から色々なことを教わります。花材の扱い方だったり、枝の切り方だったり、花の向きだったり。
あるいは、「ここは、こうした方がいいですよ」「この枝は、こういうふうに使ってみましょう」というように、その時その時で様々なことを教わります。そんなお稽古の時に、皆さんはノートを取られていますか。
今日はこの「ノートを取る」という事について取り上げたいと思います。
記録する事と整理することの違い
今はスマホがありますから、記録を残すだけなら、写真をパチリと撮っておけば済んでしまいます。なので生け上がった作品を写真に撮っておけば、「この時は、こんな作品を生けたんだな」と、後から簡単に見返すことができます。
でも私は、写真を撮ることとノートを取ることは、同じ「記録」でも全く意味が違う存在だと思っています。
写真は、その時の状態を残してくれます。けれどノートに書く時には、「今日は何を教えてもらったのか」「先生は、どこがポイントだと言われていたか」「自分は、どこを間違えていたのか」というように、自分の頭の中で思い出し、言葉にしながら纏めるようになります。
そしてこの「思い出して、自分で書く」ということこそが、学びにとって何よりも有益な行動になっているという事なのです。
覚えるということは、ただ頭に入れることではない
いけばなは、頭だけで覚えるだけのものではありません。枝を持って、切って、曲げて、花器に入れる。実際に手を動かして作品を作り上げるという行為を通じて覚えていきます。
だからこそ、聞いて学んだ知識と、実際に自分の手を動かしてやってみたことが結びつくことによって、学んだことがはじめて自分のものになっていくのです。
「先生からこう教えてもらった」ということをそのまま終わらせるのではなく、「聞く → 実際にやってみる → ノートに書く事によって思い出す。」という一連を繰り返していく。
そうすると、同じ一回のお稽古でも、ただ作品を生けて終わるのとは全く違う学びにする事ができるのです。
光風流の「いけばなログブック」は、しっかりとした学びを得るための必須教材です
お稽古のたびに、その日に習ったことをノートにまとめる効用は、先に書きましたが、実はそれだけではありません。
自分では正しく覚えたつもりでも、覚え間違いをしていたり、勘違いしていたりすることもあります。なのでノートをとってそのノートを先生に確認してもらう事によって、そういう間違いを無くすことも出来る様になります。
なので私共光風流では、お稽古をされている全ての皆様に十分な学びを得ていただく事ができるように「いけばなログブック」を制定し、必須の教材としています。
毎回お稽古の時には、ログブックに記入してその日のお稽古を自分なりに振り返る。そしてそのノートを先生に確認してもらう事によって、聞き間違い、書き間違い、覚え間違いというようなことを無くす事ができる様になります。
そしてその回のお稽古を正しく行う事ができた証明として、先生よりサインをもらう事によって、その1ページが尚一層価値のあるものとしていただく事ができるのです。
上達する人は、ノートを取ることもお稽古の一環として大切にしている
いけばなは、一回のお稽古ですべてを覚えられるものではありません。何度も生けて、何度も失敗して、何度も指導を受けて、少しずつ分かるようになっていきます。
だからこそ、その一回一回のお稽古を、「あの時は楽しかったな」だけで終わらせてしまうのではなく、「今日はこれを学んだ」という風に形にして残していくことが大切なのです。
写真には作品が残り、ノートにはその時の自分の学びが残る。この二つが揃うと、後から振り返った時に、単なる作品の記録ではなく、
「自分がどうやって学んできたのか」まで見えてくるようになります。
いけばなの上達というのは、作品が上手になることだけではありません。昨日できなかったことが、今日は少しできるようになる。以前は分からなかったことが、少しずつ分かるようになる。
そして、先生から教えていただいたことが、自分の中に少しずつ積み重なっていく。その積み重ねが、やがて自分の力になっていくということが上達という事なのです。
だから私は、「ノートを取る」という小さな習慣も、いけばなの大切なお稽古の一つであり、学びをしっかりと得るための不可欠な要素だと思うのです。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。




