いけばなのお稽古で学んだことをシッカリと身に付けたいならば、スマホで撮影するだけではなくノートの有効活用も長期記憶に結びつけるためには大切です

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今日は神戸教室のお稽古日でした。バタバタしていたわけではないのですが、お稽古を終えて帰ってきてからのブログアップになります。

ノートはいけばな上達のためにも書いたほうが良い

いけばなのお稽古に ”記録” は不可欠です。ちなみに以前は記録というとノートに記入するというスタイルしかありませんでしたが、最近はスマホの普及から写真や動画で撮影して記録として残すという方も一定数居られます。

私は基本的に便利な道具はどんどん使うべきだと思っていますので、写真や動画などどんどん使ったらよいと思っていますが、しかしながらノートに書くスタイルの記録も絶対に不可欠だと思っています。その理由は、いけばなの上達にはノートに記録するという事が一定の役割を果たしてくれるからです。

記憶は運動と結びつけると効率が良くなる

いけばなには技術的な側面と知識的な側面があり、その両方をいかに効率よく習得し記憶していくかという事が上達のポイントになります。そしてこの習得や記憶は、人の長期記憶の特徴を生かす事によって効率よく得ることが出来るようになるのです。

ちなみに人の記憶を長期記憶にするために必要な要素は何かというと、記憶が運動と結びついているかどうかという事です。学生の頃に国語とか歴史のような記憶系の試験勉強をするときに、声に出して読みながらノートに書き写したりしたアレがまさにそうです。

すなわち覚えるということを ”声を出して読むという運動” や ”ノートに書き写すという運動” と結びつけることによって、効果的に記憶することが出来るようになるのです。

ノートに書くことによって、自分の記憶を再確認しながら頭を整理することにもつながる

そしてノートを書くという行為のはもう1つ大きな効果があります。それは、いま学んだことを再確認し整理する効果があるという事です。

人間の頭は聞いたり学んだりしただけでは、記憶として定着しにくいのです。それは人間の脳の基本は、忘れるという事にあるからです。そして一説によると、人は学んだことの50%以上を1時間後には忘れ、1日後には70%近くを忘れ、1か月後には約80%を忘れると言われています。すなわち何もしなければ、学びの大半は忘れてしまうという事なのです。

そこでお稽古を行なったその場ですぐにノートを書くことによって、ノートに書きこむために学んだことを再確認するという行為がもれなく脳内で行なわれますし、加えて学びを整理したうえでノートに記録するというアウトプットにもつながるので、記憶として定着させやすくなるという事なのです。

ノートの活用方法次第で、誰でもが学びの上級者になる事が出来ます

とはいえ写真やビデオを否定しているわけではありません。私が言いたいのは使い分けをシッカリとしましょうという事です。

例えば講義などを聞いている時にホワイトボードに書かれたものは、写真で撮影すれば十分です。しかし講義を聞いていて、その内容の中で気になった点や自分の頭に思い浮かんだことなどは、ノートに殴り書きでも良いので記入しておき、あとで写真とノートを突き合わせながら整理して清書すれば、学びとしては一番濃いものになるのです。

生けたお花を写真や動画に収める。黒板やホワイトボードを写真に収める。自分なりに気付いたことを書き留めておく。お家に帰ってお稽古したお花を生け直すときに、ノートを見てわかるように書き込む。
折角の学びなのですから、いけばなのノートの有効な使い方をして、しっかりと記憶に残すことが出来る様にしてゆきたいですね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。