「面倒くさい事にこそ価値がある」のだとおもいます。だって楽だった事なんてほとんど記憶に残っていないですから

おはようございます、内藤正風です。

今日は某団体の研修会に参加するために、会場に向かうバスに乗って移動しながらブログを書いています。

1月15日は小正月(こしょうがつ)

昨夜、とんど焼きを庭の片隅で行ないました。

 

元日を「大正月」と呼ぶのに対して1月15日の事を「小正月」と言い、古来よりの伝統では今日までがお正月の期間と考えられています。
なので1月14日の夜か1月15日の朝に「とんど焼き」を行い、お正月の飾りなどを焼く火祭りを行うようになっているのですが、最近では成人の日が第2日曜日になっているので、この日に小正月の行事を行なったりとんど焼きを行なったりするところが増えています。

ちなみに私の父も、1月14日の夜に庭先で「とんど焼き」をしていたなぁって、昨夜とんどの火を眺めながらふと思い出しました。
そしてそのとんどをして出た灰の一部を火鉢に入れていたのを見ながら、子供ながらに「そんな風にするんだ。」って思っていたのも懐かしい思い出です。
いや~、こんな事を思い出すようになったっていうのは、私も年がいったって事なんでしょうか。。。
(笑)

面倒くさかったことほど「記憶」に残る

最近は何でもかんでも簡素化する風潮が強いように思います。
例えばお正月を例に挙げると、お節料理は買ってくる。注連縄も買ってくる。年賀の挨拶は行くことも受けることもしない。などなどまだまだいくらでも挙げる事が出来ます。

私も20年ほど前までは、面倒くさい事は簡略していったらいいやんって思っていたのですが、最近は「面倒くさい事にこそ価値がある」と思うようになってきました。
なぜそんな事を思うようになったかというと、答えは簡単です。それは、面倒くさかった事ほど記憶に残っているからです。

子供の頃のお正月を例に挙げると、年末におせち料理を作り始めると、”いりこ”をフライパンの上で弱火で炙るのは私の役割でした。弱火なので結構長時間そばにいないといけないですし、なのに他の事に気とられているとコゲちゃって叱られるんですよね。(笑)
母は私が生まれた時から病気がちでしたし、その上私が15歳の時に亡くなりましたので、この記憶は母との数少ない思い出です。

注連縄も子供のころに父に教わりながら一緒に作っていました。お蔭で、ワラを叩いて柔らかくするところから注連縄の形に作り上げるまで全部1人で出来ちゃいます。
父は仕事柄留守がちで普段は顔をあわせる機会って凄く少なかったので、子供のころに父と一緒に何かをした少ない記憶の1つでもあります。
ほかにも、今はそんな光景は見ないですが、障子を張り替えるのも少し大きくなってからの私の年末の担当でした。

自分で手間を掛けた事も、忘れない記憶になります

年始には、流派の幹部の先生方が父のところにご挨拶に来られるのでお年玉を頂くのが楽しみでした。

その頃はお年玉を1人でも沢山の方からいただく事が出来るように皆さんが来られる日には早起きして、お越しになられる全ての先生に「あけましておめでとうございます」って年始のご挨拶をしてお年玉を頂いていました。(笑)

ちなみに私が小学生くらいの頃は、1,000円から3,000円くらいが一般的なお年玉の金額の時代でしたが、そんな時代にお正月のお年玉の総計で8万円から9万円くらいは頂いていましたから、中々頑張ってましたよ。

豊かな人生とは沢山の思い出があること

私の子供のころの記憶を例に挙げましたが、記憶って子供のころのことも大人になってからの事も含めて、面倒くさかったり手間の掛かったことの方がハッキリと覚えているんですよね。
楽だったような事なんて、残念ながらほとんど記憶に残っていないです。

これって結局その時だけで考えると、手間が少なかったり楽なほうが良いって事になるのですが、思い出という事でいうならば面倒くさかったり手間のかかることの方が記憶に残るってことだと思います。

豊かな人生とか楽しい人生って、結局はどれだけ思い出があるかって事なんだと思うのです。
思い出とはすなわち、日常と違うどんな事をしたか?どんな失敗をしたか?どんなめんどくさい事をしたか?しんどい事をどれだけしたか?なんだと思います。

そう考えると楽をした時間って、楽しくならないんだなぁって思います。
面倒くさい事にこそ「価値がある」のです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。