いけばなの習得は、一歩一歩進むことが一番の近道なのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

 

さて、9月25日(金)から27日(日)まで、光風流では「指導展」という勉強会を開催します。
指導展では、会場にモデル作品を並べるのですが、このモデル作品を担当するのは、光風流の幹部ならびに幹部候補生の中から、私が指名した方々になります。
そして、モデル作品を担当することになった皆さんは、本番に向けて何度も何度もお稽古を積み重ねておられます。

7月頃から本格的に練習が始まり、いよいよ9月25日の指導展まであと少しとなってきました。
そんな中で改めて「習得」という事について考えたので、今日のブログで取り上げたいと思います。

一歩一歩進むことは、遠回りなのか

モデル作品のお稽古をして頂いているのは、指導展に良い作品を展示していただくためです。でも実は、それだけではありません。
モデル作品に取り組む事そのものが、担当される人にとって、知識や技術を高めるための勉強の機会にもなっているのです。
何度もお稽古をして、指導を受け、考えて、また取り組む。そうやって自分の知識や技術を高めたり、分かったつもりになっていた穴を塞いでゆく事によってレベルアップをしてゆく。

でも、人間って面白いもので、何かを始めると「もっと早く上手になりたい」と思ってしまいます。そうすると、「もっと簡単な方法はないか」「もっと早く身につける方法はないか」と考えるようになります。私だって、同じです(笑)。
ただここで間違えてはいけないのは、楽をしようとするのではなく、どうすれば遠回りせずに済むかという事こそが大切だという事なのです。

一歩一歩進むことが、実は一番の近道

一歩一歩進むというと、なんだか遠回りをしているように感じられるかもしれません。だって、一気に二段、三段と進めた方が早く感じますから。
でも私は最近、「近道」というのは、単に楽をしたり早く先へ行くことではないと思うようになりました。一歩進んだら、その一歩を自分のものにする。そして次の一歩へ進む。
そうやって進んでいけば結果として、前に進んだところまで戻って、もう一度やり直す必要がなくなります。

そう考えると、「後戻りしないこと」こそが、本当の意味での近道だと言えるのです。
一気に先へ進んだように見えても、忘れてしまったり途中で分からなくなって前に戻ってやり直したりしていると、結果として時間がかかります。反対に、一歩ずつでも、その一歩をしっかり自分のものにしていけば、少しずつでも確実に先へ進んでいくことができます。
そういえば昔歌にありましたね。「三歩進んで二歩下がる」って。(笑)

急いで進むことだけが、前進ではない

これは、いけばなだけの話ではないと思います。仕事でも、勉強でも、何か新しいことを身につける時でも同じですよね。早く結果を出したい。早く先へ進みたい。そう思うのは、決して悪いことではありません。

でも、早く進むことばかりを考えていると、「習得する」ということを置き去りにしてしまうことがあります。
一歩進んだら、その一歩を自分のものにする。そして、また次の一歩へ進む。そうやって歩いてきた道は、確実にあなたの血肉になっています。

一歩一歩進むというのは、遠回りをしているのではなく、「後戻りせずに着実に歩みを進める方法」だと言い換えることが出来ると思います。
焦って先へ行こうとするよりも、今できることを一つずつしっかり積み重ねていくことが、結局は一番の近道なのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。