「いけばなって、何歳から始めるものなんでしょう?」 六歳の六月六日から考えてみた

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

先日友人と話をしていて、「いけばなって、何歳から始めるのが良いのか」という話題になりました。皆さんは、どう思われますか。
「子どもの頃から習うのが良い」、「大人になってから」、「ある程度の年齢になってから始めた方が良いんじゃないの?」など、色々な考えがありそうですよね。

という事で、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。

芸事は六歳の六月六日から始めるのが良い

「何歳から芸事の稽古を始めるのがいいのかな」と調べてみると、面白い言い伝えがあります。それが、「六歳の六月六日から芸事を始めるとよい」というものです。
実際、私達いけばな界においても、6月6日を「いけばなの日」としています。

ちなみにこの六歳の6月6日とされている根拠の一つとして、世阿弥の『風姿花伝』に「この芸において、大方七歳をもて初とす。」という記述を挙げることが出来ます。
ここに書かれているのは数え年の七歳ですから、今の年齢で考えると、おおよそ満六歳の頃ということになります。

そこから「六歳ごろから芸事を始める」という考え方につながり、さらに「六月六日」という数字の重なりなども加わって、今の「六歳の六月六日」という言い伝えになったと言われています。

では、六歳を過ぎたら遅いのか

ところで、「六歳の六月六日から芸事を始めるのがいい」と言われてしまったら、「じゃあ、六歳を過ぎたら遅いの?」って思いませんか。
例えば、十歳になってからではダメなのか。二十歳では遅いのか。三十歳ではどうなのか。四十歳、五十歳、六十歳になってからでは・・・・・・。

いやいや、そんなことは絶対にありません!

そもそも、いけばなを始めるのに「何歳まで」という決まりがあるわけではありません。
ってか私は、幼い時にスポンジが水を吸収する様な状態の時に始めるのと同じように、歳を重ねてからいけばなのお稽古を始めて頂くのも良いと思っています。

大人になってから始めるいけばな

子どもの頃からいけばなを始めるのには、子どもの頃だからこその良さがあると思います。花に触れて、季節を感じて、手を動かして、自分で考えてみる。
そういう経験を小さい頃から積み重ねていくことには、きっといろんな意味があるでしょう。

でも、大人になってから始めるいけばなには、また別の良さがあります。
大人になると、いろんな経験をします。仕事をしたり、人と出会ったり、いろんな場所へ行ったり、嬉しいことがあったり、思うようにならないことがあったり。
そうやって自分の中に積み重なってきたものが、花の見え方や感じ方、そして学んだ事を特別なものにしてくれるのです。

花が変わったわけではありません。花を見る自分が変わっているのです。
そう考えると、大人になってから始めるいけばなにも、その年齢だからこその面白さがあるのです。

あなたにとって「今がその時」なのです

「もう今さら始めても遅いかな」そんなふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、私は「今さら」ということはないと思っています。
だって、これまで生きてきた時間そのものが、その人にしか無いものであり、そういう積み重なった一つ一つの経験こそが、生けたお花の中でその人ならではの魅力になって現れるのですから。

子どもの頃には子どもの頃の見え方がある。若い頃には若い頃の見え方がある。そして、人生を重ねたからこそ見えてくるものもある。
そう考えると、いけばなを始める年齢って実は年齢そのものではなく、「今がその時」「思い立ったが吉日」なのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。