日本画家 青田賢蔵さんの展覧会に行って改めて感じた、常に新しいことに挑戦するからこそ成長や進歩することができるという事

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

昨日から日本画家 青田賢蔵様が主催されている展覧会が兵庫県姫路市にあるイーグレ姫路においてスタートしましたので、午前中にお祝いに伺ってきました。

青田賢蔵様は光風流いけばな展において、青田様の絵画とのコラボレーションをさせて頂いたのでご存じの光風流の皆様も多いことと思いますし、青田賢蔵様は高校などで絵を教えられていましたので、直接に教えを受けられた方も多いことと思います。
そんな青田様の展覧会に伺い、青田様の作品を拝見させていただきながら最新作品の説明をお聞きしている中で、青田様のような一流の日本画家であっても新しいことにチャレンジなさっている事を知り、そのような中で感じることが沢山あったので、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。

青田賢蔵様の最新作品から受けた感銘

今回の展覧会には青田賢蔵様の最新作「エンゼルフィッシュ」が展示されていました。私は青田様の最新作の事や、この最新作品が展示されていることは全く存じ上げていませんでした。なので普通に会場で絵を順番に拝見していたら、スッと目に入ってきて「わぁ素敵だな」と思いキャプションを拝見すると、青田賢蔵と表記されていました。
そして暫くこの作品に目を奪われていると、青田賢蔵様が横にスッとお越しくださって「これは私の最新作で、これまでとは違う技法に挑戦して書いてみたんです。」というお話や、技法の事や表現の違い、そのほかこの新しい挑戦について色々なお話を聞かせていただくことが出来、そして感銘を受けると共に、これってそのまま私たちにも当てはまることだなぁと思ったのです。

挑戦無くして進歩進化はない

「いけばな」って聞くと、古臭いもの。。。と思われている人が非常に多いです。確かに「いけばな」には約700年の歴史があります。その意味でいうならば700年前から続いているという事です。しかしそれは700年前の事 ”だけ” を今も行なっているという事ではありません。その時代時代の華道家が常に新しい事にチャレンジして可能性を広げてきたからこそ、今日まで歴史を積み重ねることが出来ているのです。

ちなみに新しい事にチャレンジして常に移り変わってきているというと、何か突飛なことをしていると思われたり変わったことをしているという風に思われたりする方もおられるでしょう。しかしそれは大きな間違いです。
これまで地道に取り組んできた中で、「こんな風にしてみたらどうだろう」という自然発生的な思いを形にしてみたという事や、
世の中の価値観や周りの環境が変化したことに伴い、ある種の外圧的な要因によって変化していっているというようなことが、その大半ではないかと思います。

「伝統」と「伝承」は似て非なるものです

よく混同されがちなのですが「伝統」と「伝承」は、似たような言葉ですがその意味は全く違うものです。
「伝統」とは言うなれば「足跡」です。いけばなでいうならば、その時代時代の華道家が時代の流れや移り変わる環境の中で、新しい挑戦を行ない一歩ずつ歩を進めてきた700年と言う時間が「伝統」になります。
そしてこの時間の中で積み重ねてきたノウハウこそが「伝承」になります。ここでいうノウハウとは””決まり” と呼ばれるものであったり ”基本” や ”型” というようなものだとご理解いただいたら結構です

陸上競技のリレーに置き換えるとわかりやすいかと思います。伝承はリレーに使う「バトン」です。第1走者から順番に同じバトンをつないでゆきます。そして伝統は走者が走った「足跡」です。第1走者が走りその後を第2走者が走った道が伝統にあたるのです。

これまでを踏まえたうえで新しいことに挑戦することこそが「適者生存」につながる唯一の方法です

世の中の価値観や環境は大きく移り変わっています。床の間をはじめとする畳の部屋の減少に代表される住宅環境の変化、スマートフォンの普及などによる情報の伝達方法の変化と情報価値の変化に代表される人々の価値観の変化、他にもいっぱいありますが、とにかくもう10年前と今とでは全く違う世の中になっています。

そんな中で未来に生き残っていくことが出来るかどうかは、変化出来たものだけが生き残る事が出来るという事だと思います。動物でいうと、強いものが生き残る「強者生存」ではなく、その環境に適合したものが生き残る「適者生存」なのです。つまり適者とは進化進歩した者という事にほかなりません。

今が良いからと言ってそのまま変革を行なわずにいたのでは、気付いた時には適者ではなくなってしまいます。これまでに積み重ねてきたものを踏まえたうえで、新しいことに挑戦し続ける事のみが自らを時代にあわせて変革させ、進化進歩することが出来る唯一の方法なのです。
そんなことを改めて思う機会になりました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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