現在厄年の方は、節分の今日までが1年ですよ。そして令和6年が厄年にあたる方は、明日から厄年が始まります

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は節分、いよいよ明日から新しい年になります。というと、1年は1月1日から始まっているやんかと思われる方もおられるでしょう。確かにカレンダーの1月1日から始まって12月31日までの1年という考え方が今では一番一般的な考え方になりますね。
しかし1年の考え方には大きく分けて3通りの考え方があるのをご存じでしょうか。まず一つ目は、先に書いた1月1日から始まって12月31日までの1年という考え方があります。そしてもう一つは、旧正月から1年が始まるという旧暦による考え方があります。そしてもう一つは、自然の変化によって1年の始まりは「立春」からと考えた1年の考え方があるのです。

1年が春から始まるのは、日本が八百万(やおよろず)の国だからです

日本は全てのものに精霊が宿るという考え方で国造りがなされてきました。この全てのものに宿る神々のことを八百万(やおよろず)といいます。
ちなみに神というと、お家の中にある仏壇や神棚と言う場所を真っ先に思い浮かべる人も多いでしょうが、ここでいう神とは台所には台所の神様、トイレにはトイレの神様、道端の石や人間の言葉など、すべての場所やモノに神様が居られるということです。
なのでこの神様は特定の宗教とか宗派をさすものでは無く、全ての物や生き物に畏敬の念をはらい大切にすると言う考え方から来ているものなのです。

そんな日本ですから、太古の時代には自然の景色の変化から季節の移り変りを把握する「自然暦」を用いていたのですが、そこに飛鳥時代に中国から二十四節気が伝えらて、立春を1年の初めとした暦が作られたというのが、この考え方の大元という事です。
なので正月に「早春」や「新春」と言う言葉を使うのは、立春がお正月とほぼ同じ頃に重なっていたなごりが現代に伝わっているのです。

厄年の1年は、1月1日から始まるのではない

さてそんな中で、この「立春」から始まる1年という考え方に関連して、勘違いされている方をよく見受けることがあります。それは「厄年」の1年の考え方についてです。

「厄年」の起源は陰陽道にあると言われており、平安時代には既に厄年の年齢の決まりが定められていたようなので、確実に古い暦を元にした考え方なのは間違いありません。
と言うことは、年齢や1年間は古い暦の考え方で見るべきものですよね。そう、すなわち厄年は、立春から節分までを1年として考えないといけないのです。

1月1日にグレゴリオ暦での新年を迎え、2月4日には「立春」ということで日本古来の考え方の1年が始まり、「旧正月」には旧暦における1年が始まる。日頃はあまり気にしないことでしょうが、1年にはそんな色んな意味の考え方が存在しており、そんな中の一つの始まりが、明日の「立春」からになります。

ということで、今日は皆さん、豆撒きや恵方巻で厄災払いをして、明日から良い1年をスタートさせましょうね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。