正月2日は「初める日」という事から思う、身の周りにある事や物が当然だと思うのではなく、感謝することによって世の中がうまく回ってゆくという事

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日も朝からのんびりとした時間を過ごしながら、正月2日の恒例行事を行なっています。とはいえ大した事はしてないんですよ。

正月2日は「初める」日です

今日は1月2日。色んなことを初める日ですね。
初夢、初荷、書き初め、農初め,舟の乗り初め,山初め,縫い初めなど、色々な「初め」があります。これらは日本古来の「すべてのものに精霊が宿る」という考え方に基づいて、正月1日は様々なモノに休んでもらうという考え方と、1月2日に仕事や学業や習い事などを形だけ行い、その年の仕事の安全や勉学技能の上達を願うならわしに基づいたものになります。

我が家も昨日は、お風呂に入らないようにすると共に、洗濯や髭そりも大晦日の年越しそばの前に行なっておいたりして、日常お世話になっている出来るだけ沢山の物に元日にはお休み頂ける様にするのが習わしになっています。
とはいえ、冷蔵庫に休んでもらうわけにいきませんし、トイレに行かないわけにもいきませんので、どうしても必要なものは1月1日だからと言って休んでいただけてはいないんですけどね。

身の周りにある事や物が当然だと思うのではなく、感謝することによって世の中がうまく回ってゆくという真理

日頃そんなことは思わないですが、トイレやお風呂があるから清潔な生活を送ることが出来るのです。冷蔵庫や冷凍庫があるから食中毒など起こさずに済むのです。そもそも家という建物があり冷暖房があるから、居心地の良い生活を送ることが出来るのです。
お仕事も、支えてくださる皆様が居てくださるから成り立っているのです。先輩や仲間や後輩がいるから豊かな人生を送ることが出来るのです。ネットや本や様々な交通機関があるからこそ、様々な体験をすることが出来たり沢山の学びを得ることが出来るのです。

そんなことを考えていると、人間って多くの人や物のお世話になることによってこの生活やお仕事が成り立っているんだなぁと改めて感じますし、古来の日本人が「すべてのものに精霊が宿る」という風に物事を捉え考えたのは、今身の周りにある事や物が当然だと思うのではなく、感謝することによって世の中がうまく回ってゆくという真理に基づいた考え方が出来るようになっているのだなと改めて感じます。

自分の心に恥じないということ

日本には古来より「お天道様に恥じない」という考え方があります。ほかの誰かが見ていなくても天の上からお天道様は全てを見ているから恥ずかしくない行動をしましょうねという意味ですが、ここでいうお天道様というのは「自分の心」という事だと思うのです。
だからこそ日本では、忘れ物の財布を見かけたときに「忘れた人が困っているだろう」と警察などに届けていてくれたりするという行動に結び付いているのだと思うのです。
そしてこの考え方は、西洋的な「人間が一番偉い」という考え方ではなく、「自分の身の回りにある物や事がお互いに関わり合いながら生かされ生かしている」という事に外ならず、そういう日本の良さを、もっと後世にしっかりと伝えることが出来るようにならないとなぁと改めて思った日になりました。

 

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。