段取り八分といいますが、事前準備には「予測する力」が不可欠であり鍵になります

こんにちは、内藤正風です。

今日は小正月ですので、とんど焼をして松の内がいよいよ終わりになります。とはいえ1月4日からお仕事をされている方にとっては正月なんて遠い過去の事かもしれませんし、地域によっては松の内は7日までというところもありますので、人によって松の内の捉え方も違ってくるのだろうなと思います。

事前の準備が足りないと、時間に追いかけられるようになります

世の中の全ての事柄は、時間と無関係でいる事はできません。
これはいけばなにとっても同じで、例えばいけばな展の生け込みは〇時から〇時という風に時間が決められていますのでこの中で行ない完了しなければなりません。日頃のお稽古や各地で行なっている講習会なども、教室の時間が決まっていますからその中で行ない掃除などもして退出を完了しなければなりません。あるいは光風流で発行している印刷物に掲載する作品写真の撮影も時間が決まっておりますので、その時間の中で作品作りを行ない写真撮影し片付けて退出をする必要があります。
そしてこの時間を守ることが出来なかった時には、計画通りに物事を進める事が出来ないという事で信頼を失うだけではなく、誰かに迷惑をかける事になったり余計に費用が必要になったりして色々な意味において損失が発生する結果になってしまいます。

そしてこういう風になるのは結構同じ人が多かったりするのですが、なぜいつもそうなってしまう傾向が強いのかを観察し私なりに検証してみたのですが、1つの法則がある事に気付いたのです。それは事前の準備が不足しているという事です。

事前の準備に不可欠なのはイメージする力です

事前の準備には大きく分けると2つの要素があります。1つは予定している作業を行なうために必要な準備。そしてもう1つは不測の事態に対応できるようにしておくために必要な準備です。

いけばな展の生け込みを例に挙げると、予定している作業を行なうために必要な準備としては以下のものが挙げられます。
①いけばな展で展示する作品を事前に作り上げて、イメージしている作品が出来る様に下生けする。
②自分が展示しようと思っている作品が、限られた生け込み時間の中で作業を完了することが出来る様に、事前にパーツごとにしておいたりして生け込みを効率よく行なう事が出来る様にする。
③搬入するときに持ち運びがしやすくなるように梱包したり必要な場合にはお手伝いの人を依頼する。
細かく言えばまだまだありますが、大雑把にはこんな感じでしょうか。

そして次に不測の事態に対応できるようにしておくための作業としては、ざっくりと以下の通りかと思います。
ⓐ生け込みの時に万一思う様に作品が出来上がらなかったときに、全ての枝を抜いて全部生けなおすことが出来る様に、生け込み時間の半分くらいまでで作品の生け込みが完了できるようにしておく。
ⓑ生け込みの時に枝が折れたり花が傷んだりしてしまったときのために、余分の材料を持参したり、万一の時のためにその時に必要になる可能性がある針金や接着剤などの資材を用意しておく。
Ⓒ生け込みの時に体調が悪かったり緊張などで思う様にお花を生ける事が出来なくなっても、必要とされる最低レベルを維持しながら作品を完成させることが出来る様に、何度も事前に生けてリハーサルをしておく。

とまあこの様に書くとなんかもの凄い事をしているように思われるかもしれませんが、これらの大元になる事って実はたった1つだけの事なのです。
それは「イメージする力」です。

イメージする力とはすなわち「予測する力」です

イメージする力と言われてもよく分からないですよね。
いけばな展の生け込みは、日常と違う環境でなおかつ限られた時間の中でお花を生け一定レベル以上の作品を完成さえなければならないという事が求められます。
したがって、
◆生け込みではどんな作業をするのか
◆その作業にはどのくらいの時間が必要なのか
◆その時間を少しでも短くするためにはどのような事前準備や道具が必要か
◆その作業を行なっている中で起こりうる不測の事態はどんなものが有るか
◆そして起こりうる不測の事態に対応できるようにしておくにはどんな準備が必要か
という事を考え準備することが求められるという事なのです。

すなわちこういう事がなぜ起こるのかというと想定が甘いという事であり、その原因は現場を甘く見すぎているか自己の力を過信しすぎていることにより正しく想定することが出来なかった「イメージ不足による準備不足」と言わざるを得ないと思います。

とはいえお稽古を始められてスグの方にこれだけの力が備わっていたりもしませんので、経験を積み重ねるという事が一番大切なのは言うまでもありません。
1回1回の体験を大切にしたり、他の人がされていることを参考にしたりしながら、全ての方が成長してくださることを祈っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。