いけばなの講習会を受講するときには、綺麗に生けようとするのではなく学ぼうとすることが大切なのです

こんにちは、内藤正風です。

今日は滋賀に来ています。
といっても遊びに来ているのではなく、関西いけばな連絡協議会という関西2府4県のいけばな協会で組織する団体があるのですが、情報交換を行なったり懇親を深めたりする機会として1年に1回会合があり、今年は滋賀で開催されているので兵庫県いけばな協会として、会長、相談役と共に参加しています。

良い作品を生み出すことが出来る様になる為に、日頃のお稽古や講習会などがあります

いけばなは言うまでもなくお花を生けることがその中心ですが、良い作品を作りたいと思ったら知識や技術を向上させることが不可欠になります。
そしてその為に、各地の教室でのお稽古や、光風流本部いけばな教室での講習会や研究会、各地の支部での講習会などを開催しているのですが、今日は光風流の皆様が講習会を受講されたときに少しでも有益な時間にするために欠かせない事について書きたいと思います。

講習会や研究会では、時間を意識することが大切です

光風流のいけばなの講習会や研究会は、ざっくり言うと3部で構成されています。
1つは学科講義、1つは実技、1つは指導になります。

まず学科講義は、その生け方を行なうために注意するべき点やその生け方に関連する理論になります。実技は、その日のとりあげている生け方について実際にお花を生ける時間になります。そして指導は、生けられた作品について良い点や課題となる点などについて実際に指摘をさせて頂き手直しをしてゆく時間になります。

そんな講習会や研究会は3時間とか4時間という風に開催の時間を決めて行なっていますので、受講して頂くにあたっては時間配分をシッカリと意識しないと時間だけが過ぎ去ってしまうような事になりかねないのです。

綺麗に生けようとするのではなく学ぼうとすることが大切

いけばなの講習会や研究会では、お花を綺麗に生けていただく事が目的ではありません。では何が目的かというと、1つでも多くの学びや気付きを得ていただくという事になります。

綺麗に生けることが出来るかどうかは、その方の基礎力によります。
なので練習不足で出来ない事を、講習会や研究会という限られた時間の中で出来る様に繰り返し行なって時間を消費してしまうのは極めて勿体ないと言わざるを得ません。
したがって、技術的に未熟で出来ない事や練習不足で出来ない事は、日頃のお稽古や自分で行なう練習で繰り返しお稽古を行なっていただくべきことになります。

そうなんです!講習会や研究会の限られた時間をこんなことに使ってしまって、生けた作品についての指導を受ける時間が少なくなってしまったり無くなってしまっては勿体ないのです。

沢山の気付きや学びを得て、有意義な時間を過ごしていただきたい

時間は無限ではありません。今は今しかないのです。一度失った時間は取り戻すことはできません。

せっかく忙しい中を時間を調整して受講されている講習会や研究会なのですから、そこでなければできない事をするべきなのです。すなわち、お花を綺麗に生けたり技術を高める為の繰り返すお稽古の時間ではないという事です。
そしてそこでなければ出来ないお稽古とは、調和のバランスを学ぶ、未経験の技術や理論を学ぶ、今まで学んでいた事柄をより高いレベルで習得するという事に他なりません。

講習会や研究会の時間いっぱい使ってお花を生ければ良いなんていう考え方をしていては、「お花は生けました。。しかし学びや気付きはほとんどありませんでした」という結果になってしまうのです。

内容の濃い時間を過ごすことが出来るか、あるいはそうでないかは、自分の取り組み次第で大きく変わってくるのです。
光風流で講習会や研究会を受講されている皆さんの1人でも多くが、少しでも沢山の学びや気付きを得ていただける事を心より願っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。