いけばなの醍醐味は、「自分なりの創意工夫を加えて作品作りをすること」にあります
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
昨日は光風流の冬の一大イベント「お題講習会」を開催しました。受講くださった皆様、お疲れさまでした。
いけばなはとても自由で楽しいものです
いけばなと聞くと ”堅苦しい” とか ”窮屈” というイメージを持たれる方が多いですが、実はいけばなって、とても自由で楽しいものです。
昨日のお題講習会でもお話しさせていただきましたが、いけばなの醍醐味は「自分なりの創意工夫を加えて作品作りをすること」にあります。
「基本」とか「型」と聞くと窮屈に思われるかもしおれませんが、基礎となる手法を知っているからこそ自分の「したい!」という思いやイメージを形にすることが出来るのです。
たとえばお料理で味噌汁を作ろうと思っても、土台となる基本を知らないと美味しい味噌汁を作ることなんてできません。だって味噌汁といっても、お湯に味噌を入れただけではないのですから。
お出汁をとって、そこに具材を入れて、最後にお味噌を入れる。お味噌を入れたら沸騰させたら風味が落ちてしまうので注意が必要。。。これって、お出汁のとり方を知っていたり、具材の取り合わせを知っていたり、味噌の特性を知っていたりするから出来る事に他ならないのです。
そしてこういう基礎的な事を知っているから、味噌汁を作るときに自分なりの創意工夫を加えて、それぞれの人やそれぞれのお家ごとの特徴的な味噌汁が出来上がるという事なのです。
なので基本をたくさん知っているという事は、自分がしたいと思う表現が自由に出来るようになるという事ですし、自分がしたいと思う事が出来るという事は楽しいという事に他ならないのです。
十人十色だからこそ、魅力があるし価値があるのです
今回講習会で取り上げた令和7年のお題は「夢」ですが、テーマを形にするのって10人いれば10通りの表現があり、どれが正しいとか間違っているではなく、それぞれが個性の表れになります。
そんなイメージの違いや表現の違いを講習会を受講してくださっている皆様には、実際にモデル作品を見ながら知っていただき研究していただく事が出来るように、家元講師や家元准講師の先生方による参考花を会場に展示して、研究素材としていただきました。
それぞれの作品を目前にし、その作品を生けた先生の趣旨や表現したかったものや想いを受講されている皆さんに聞いていただく事で、いけばなの多様性や可能性、そして楽しみについてリアルに感じていただく事が出来たと思います。
ちなみにご覧いただきましたモデル作品は、昨日のお題講習会に先立って、前日の土曜日に生け込みを行なったのですが、先生方の真剣な表情もご覧いただければと思います。
お題「夢」のいけばな作品は、来年の宮中歌会始に合わせて公開します
「お題」とは、正月の一番最初に宮中において開催される ”歌会始” の「題」になります。そして光風流においては、創流以来毎年、このお題をいけばなで表すことを行なってきています。
そして毎年お正月に先立って、光風流の皆様にこのお題の花を学んでいただく講習会として「お題講習会」を11月の末に開催しているのです。
ちなみに昨日開催しました「お題講習会」で皆さんに学んでいただきました作品や、光風流講師や光風流准講師の先生方の作品は、お題の作品という性質から、年が明けて宮中歌会始が催される当日に公開させていただくのが相応しいと思いますので、それまでお楽しみになさっていただければと思います。
早く見せてよ~って思われる方もあるでしょうが、私は ”けじめ” とか ”節目” って大切だと思うのです。だって例えば、お節料理を11月に提供されても魅力的には思わないですよね。なのでお正月の物は正月にご紹介させていただきたいと思いますので、その時にはこのブログや光風流のFacebook、光風流のInstagramなどで取り上げさせて頂きます。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。