混ざりあう事によってそこにしかない魅力が生み出され、オンリーワンになることが出来るのです
こんにちは、内藤正風です。
昨日は仲間と一緒に、山の中の古民家に行って鴨料理を食べてきました。
古民家というと田舎の古い家を連想される方が多いでしょうが、こちらの建物は明治時代に男爵が別荘として建築されたもので贅沢普請だし、その当時のお道具なども設えとして飾られていたりして、もの凄い趣のある建物なんです。
こういう素敵な場所でゆっくりと過ごす時間って、ホント贅沢だなぁって思います。
新しいものと古いものが組み合わさって生み出される魅力
人って新しいものについつい目が行ってしまったり、良いなぁって思ったりしがちです。
しかし私は、良いものが年数を重ねる事によって醸し出す魅力も本当に素晴らしいなぁと最近特に思う様になっています。
たとえば ”いけばな” では竹製の器を使うのですが、この竹製の器には、作られて間がない出来立てほやほやの新しい魅力もありますが、逆に手入れをして何十年や何百年時間を重ねてきたものが持つ竹器の持つ風合いは、お金を出しても決して真似の出来るものではありません。
新しいものが持つ魅力、歴史を積み重ねてきたものが持つ魅力、これはどちらかが優れているという事ではなく、どちらもがそれぞれにしかない魅力を持っているという事なのです。
昨日行った建物も、正に新しいものと古いものとが融合していて、建物は古いですが手入れは行き届いており、畳や襖や障子は新しいものに張り替えられていますし、調度品として設えられている道具は当時の一級品が飾られていますが、鍋をするコンロや食器などは今のものが使われており、古いものと新しいものが適材適所に配されることでとても素敵な空間を生み出していました。
”無いものねだり”はしても仕方がないし、いま手元にある魅力に目を向けた方が良い
人間って、ついつい他人と比べて競ってしまいます。
古いお家に住んでいる人は新しいお家を羨ましいなぁとおもったり、都会に住んでいる人は自然にあふれたリゾート的な雰囲気に憧れたり、田舎に住んでいる人は都会の便利さを羨ましがったりします。
あるいは周りの人と比較して自分の豊かさを判断してしまったりします。○○さん海外旅行に行ったんだって~とか、○○さん新しい車を買ったんだって~とか。
そんな事をしていると、最後には自分の幸せ度合いまでも他人と比べて判断する人まで出てきちゃいます。
私は、人って誰かと比べて競争するから面白くなくなっちゃうんだと思います。そして人と比べるから無い物ねだりになってしまうのだとも思います。
人は10人いれば10通りの好みがあるし価値観があるし、そして判断が有るのが普通だと思うのです。
自然の好きな人は、海や山に囲まれたところで生活をすればいい。それが無理ならばお部屋に鉢植えを飾るとか、自然風や古民家風のインテリアにすればいいのです。
自然が豊富だと「リゾートみたいで贅沢ですね~」って言われますが、歩いていける距離にコンビニなんて無かったりする不便さがもれなくついてきます。
便利を求めるなら、駅前のマンションに住めば色んなものをすぐに買い求めることが出来るし、色んな刺激が身の回りに溢れています。けれど人と人との関わりが希薄だったり無機質なものと人ごみに囲まれているので、それがしんどくなっちゃう場合もあるでしょう。
新しいものと古いモノを融合させるように、いま手元にあるものに備わっている魅力をシッカリと見定めて生かす事こそが大切なのだと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。